ジェトロとイタリア貿易促進機構、MOUに基づく行動計画締結
(イタリア、日本)
ミラノ発
2025年05月28日
ジェトロは5月13日、イタリア貿易促進機構(ITA)との間で、イノベーションとスタートアップ分野で日本・イタリア間のビジネス交流の一層の活発化に向けた行動計画(アクションペーパー)を締結した。
ジェトロとITAは2013年に両国間の貿易と投資の促進に向けた協力に関する覚書(MOU)を締結し、共同で実施する事業については付則としてアクションペーパーを締結することを規定している。今回のアクションペーパーでは、イノベーションとスタートアップの分野で両機関の協力強化を明記した。ローマで同日開かれた日伊ビジネスグループ(Italy-Japan Business Group:IJBG)(注)合同会議の場で、アントニオ・タヤーニ副首相兼外務・国際協力相らの立ち会いの下、片岡進ジェトロ副理事長とマッテオ・ゾッパスITA会長がアクションペーパーを交換した。
ジェトロとITAはアクションペーパー交換に先立ち、スタートアップやイノベーティブな取り組みを進める企業間のビジネス交流を促進する取り組みの一環として、IJBG「アウトリーチセッション」を経済産業省とともに開催した。2023年に続く2回目の開催となる今回は、「インテリジェント・ソサイエティー」と「グリーン・フューチャー」をテーマにしたパネルディスカッションを実施した。登壇した両国の9社からは、両国では製造業が集積する一方で、労働人口が減少傾向にあるという共通点を抱えることから、生産現場を支えるために、人工知能(AI)を活用する重要性を指摘する意見が多く聞かれた。
続くイタリアのスタートアップによるピッチでは、省エネルギー、先端医療、宇宙・衛星分野の3社が登壇し、日本企業との協業・連携を訴えた。ともに資源小国、高齢化社会、安全保障といった両国に共有するテーマに着目した各社の技術や取り組みは、参加者の関心を集めていた。アウトリーチセッションに参加した日本企業からは、「両国の大企業から中堅・中小企業、スタートアップまで一堂に会するユニークな取り組みだ」「有望なスタートアップと接点を持つきっかけになった」などと評価する声があった。
アクションペーパーの交換(IJBG事務局提供)
(注)主として日本とイタリア間の貿易、投資、第三国市場協力を促進するため、1989年に両国政府の合意によって発足した民間企業を主体とした交流組織。
(志牟田剛、三宅悠有)
(イタリア、日本)
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