サムスン電子の第1四半期、携帯電話は好調、半導体は不振
(韓国)
ソウル発
2025年05月12日
韓国のサムスン電子は4月30日、2025年第1四半期(1~3月)の業績(連結ベース)を発表した。売上高は前年同期比10%増の79兆1,000億ウォン(約7兆9,100億円、1ウォン=約0.10円)、営業利益は1,000億ウォン増の6兆7,000億ウォンだった。
サムスン電子は売上高について「DX(Device eXperience)部門は、フラグシップスマートフォンの好調な販売と、高付加価値家電の販売拡大により、前期比28%増、前年同期比9%増を記録した。半面、DS(Device Solutions)部門は、HBM(高帯域幅メモリー)の販売減少などで、前期比17%減、前年同期比9%増だった」と説明した。営業利益については、「DS部門の業績不振にもかかわらず、『ギャラクシーS25』シリーズの好調な販売と、VD(Visual Display)、DA(Digital Appliances)の高付加価値製品中心の販売拡大により、前期比2,000億ウォン増、前年同期比1,000億ウォン増となった」と評価した(全社と部門別の売上高は添付資料表1、営業利益は添付資料表2参照)。サムスン電子発表の第1四半期の部門別業績は次のとおり。
(1)DX(Device eXperience)部門(家電、IT、モバイルなど)
MX(Mobile eXperience:無線通信機器部門)は、ギャラクシーS25シリーズの好調な販売で、売上高・営業利益ともに増加した。部品価格下落とリソース効率化を通じ、2桁台の売上高営業利益率を達成した。VD(Visual Display)は、Neo QLED(量子ドット有機EL)、OLED(有機EL)などの戦略製品の販売が拡大した。さらに、材料費削減などを通じ、前期に比べて収益性も改善した。DA(Digital Appliances)は高付加価値家電製品の売上比率の拡大で、前期に比べ収益性が改善した。
(2)DS(Device Solutions)部門(半導体など)
メモリーは、サーバー用DRAMの販売が拡大し、NAND型フラッシュメモリーは価格が底打ちしたとの認識が広がったことで、追加的な購買需要があった。ただし、半導体輸出規制などの影響で、HBM(高帯域幅メモリー)販売は減少した。システムLSI(大規模集積回路)は、主要顧客企業にフラグシップSoC(System on Chip)を供給できなかったものの、高画素イメージセンサーなどの供給拡大により、業績は小幅に改善した。ファウンドリーは、モバイルなどの主要顧客の季節的な需要減少、在庫調整や稼働率停滞により、業績は振るわなかった。
(3)SDC(サムスンディスプレー)
中小型パネルは、季節的な影響により前期に比べて業績が悪化したが、大型パネルは主要顧客のハイエンドモニター新製品の販売開始により、業績が改善した。
(4)ハーマン・インターナショナル
季節的な非需要期入りしたものの、製品ポートフォリオを改善し、前年同期に比べて売上高、営業利益とも増加した。
(李海昌)
(韓国)
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