米コロラド州で軽自動車の走行を許可する法案が成立
(米国)
ロサンゼルス発
2025年05月07日
米国コロラド州議会は5月1日、軽自動車の走行を許可する法案(HB25-1281)を可決した。同法案では、軽自動車を日本の公道走行が認められている最小の四輪自動車と紹介しつつ、自動車法および所有権証明書法において新たに軽自動車を自動車と定義している。本法案によって軽自動車の同州内の道路での運行が許可されるとともに、所有権証明書の発行、登録および自動車交通法の順守が義務付けられる。今後、ジャレッド・ポリス知事(民主党)による署名がなされれば、2027年7月に施行されることとなる。
これまでも軽自動車は米国に輸入されており、小型で耐久性が高く、米国で販売されるピックアップトラックよりも安価であることから人気が高まっているという。特に軽トラックの米国への輸出台数は過去5年で3倍以上になったとされる(NBCニュース2024年6月12日)。しかし、同州では軽自動車を明示的に禁止する規定がなかったにもかかわらず、自動車当局から何の説明もなく登録を拒否されたり、排ガス検査を拒否されたりして登録の更新ができないといった事例があったという。
同法案では、軽自動車は密閉式キャビンを備えた排気量1,000立方センチメートル内燃機関、または5万6,000ワット以下の電動機によって駆動する、全長140インチ(約3.56メートル)、全幅67インチ(約1.7メートル)以下の車両と定義されている。対象となるのは輸入車で製造から25年以上たったもの(注)、走行できるのは最高時速が時速55マイル(時速88.5キロメートル)以下の道路に限られていることなど制限は多いが、軽自動車の公道での走行が法律により明確に許可されることになる。
法案が施行されれば、歳入局や警察といった当局は軽自動車であることを理由とした車両検査を要求することもできなくなり、軽自動車の設計や製造パラメータを理由に公道走行できないと指摘することはできないとされる。
(注)製造から25年以内の中古車(軽自動車、乗用車、トラック、自動二輪車)は連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard:FMVSS)の規制対象となるため、本法案の対象外だ。
(堀永卓弘、クリストファー・ベイカー)
(米国)
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