政府がデジタルウォレット第3フェーズを延期、1,570億バーツの景気対策に充当

(タイ)

バンコク発

2025年05月26日

ペートンタン・チナワット首相が委員長を務めるタイ政府の景気刺激政策委員会は5月19日、1人当たり1万バーツ(約4万4,000円、1バーツ=約4.4円)支給のデジタルウォレット第3フェーズの実施を延期すると決定した。

翌日20日の閣議で、デジタルウォレットの予算1,570億バーツ(約6,900億円)を景気対策に充当することが承認された。景気対策の概要は次のとおり。

  1. インフラ開発:洪水・渇水対策や水道インフラの改善 、交通インフラ・交通安全性の向上
  2. 観光開発:観光地の整備および開発、観光客の安全性向上、観光業の促進
  3. 輸出への影響の緩和措置:輸出業者向けローンの支援、国際貿易に係るデジタルインフラの整備
  4. 地方経済への還元:規模別の村基金、国の経済基盤を築く教育と人的資本開発

今回の景気対策を通じて、GDPを0.7~1.0%を押し上げる効果が見込まれている。

デジタルウォレット第3フェーズは4~6月に実施予定だったが、ピチャイ・チュンハバジラ副首相兼財務相によれば、タイと世界全体の経済状況の変化も考慮し、国家経済社会開発委員会(NESDC)とタイ中央銀行(BOT)が政策の見直しを提案し、今回の措置に至った。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

ビジネス短信 4472a2fa529aae9e