広州市、自動運転バスが初めて市中心部の幹線道路で走行

(中国)

広州発

2025年05月15日

中国広東省広州市の広州公共交通集団(広州公交集団)は429日、同市越秀区で「羊城(注1)インテリジェントバスモデル路線」の試験運転サービスを開始した(試験運転期間の終了日は514日時点で未定)。同路線は広州市初の市中心部の主要幹線道路で走行する自動運転バス路線で、広州市初の「文化観光」をテーマとした自動運転バスのモデル路線でもある。

広東省シンボルマークの1つの「醒獅(せいし)」(注2)が車体に装飾された自動運転バスは越秀区梅東路総駅を出発し、東峻広場、越秀橋、中山記念堂(市総工会)、広医駅、広東大厦駅などを経由する約13.6キロの区間で、1周約55分となる。試験期間中の運行時間は毎日午後7時~午後9時で、バスの車両には安全監視員を1人配置し、定員(1車両)は6人。試験運行中の運賃は15元(約100円、1元=約20円)だが、試験終了後は110元となる(「広州日報」429日)。乗車は予約不要で、WeChatの「智慧小巴」ミニプログラムでバスの現在位置を確認できる。「羊城通」交通カード、スマホの乗車QRコードやNFCなどの支払い方法が利用できる。なお、同路線以外に「広州タワー路線」「生物島1号線」「生物島2号線」「雍景湾便民線」の4路線があり、この路線の運行時間は午前8時~午後9時、運賃は12元だ。

広州市の自動運転バスは202312月から正式に運行を開始し、既に50両の自動運転レベル4(注3)に相当するバスが投入され、累計210万キロを走行し、延べ116万人が利用している。自動運転バスの耐用年数は10年とされ、10年間の年間平均運行コスト(1台当たり)は通常の新エネルギーバスより142,600元の削減になると試算されている(「羊城晩報」429日)。

写真 「醒獅(せいし)」が装飾された自動運転バス(ジェトロ撮影)

「醒獅(せいし)」が装飾された自動運転バス(ジェトロ撮影)

写真 運転席には安全監視員が座るが、自動で右折やUターンなどを行う(ジェトロ撮影)

運転席には安全監視員が座るが、自動で右折やUターンなどを行う(ジェトロ撮影)

(注1)広東省広州市の別称。

(注2)獅子舞の一種。「広東醒獅」は中国獅子舞の南獅に属する伝統文化。

(注3)中国工業情報化部による「汽車駕駛自動化分級(自動車運転自動化分類)」の国家標準で自動運転レベルの1つ。レベルゼロからレベル5まで6段階あり、レベル4は高度自動運転と定義している。

(陳昕)

(中国)

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