中国唯一の国家級総合文化産業見本市「中国(深セン)国際文化産業博覧交易会」開催

(中国)

広州発

2025年05月30日

中国唯一の国家級総合文化産業見本市「第21回中国(深セン)国際文化産業博覧交易会」が5月22~26日、広東省深セン市で開催された。

同博覧会は、「文化産業総合展A館」「同B館」「広東省・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)文化産業イノベーション展」の3つの総合パビリオンと、「国際文化貿易展」「文化消費・文化観光融合展」「芸術デザイン・ファッション生活・文化科学技術金融展」「映画・テレビ・著作権・ゲーム・eスポーツ展」「無形文化遺産・工芸美術品展」の5つの専門分野パビリオンに分かれており、12万件以上の文化関連製品が展示された。

総展示面積は16万平方メートルで、オンラインとオフラインで合計6,280の政府機関、文化機構、企業が参加した。うち海外からは65カ国・地域の計305社が出展し、オンラインとオフライン合わせて220万人が参加した。

今回は人工知能(AI)展示エリアが新設され、60余りのAI関連企業が出展。優必選科技(UBTECH Robotics)、レノボ(Lenovo)、楽聚機器人(Leju Robotics)などの有名企業も出展しており(「界面新聞」5月26日)、言葉を理解し応答できるAI機能が搭載された人型ロボットやセキュリティーシステムを搭載したパトロールロボットが紹介された。

「国際文化貿易展」のパビリオンには、ドイツ、ロシア、エジプト、インド、トルコ、韓国、東南アジア諸国などのブースが設置され、外国人来場者の姿が多く、会場内では出国時税還付専門エリアも設置されていた。海外からの来場者は、本エリアで「即時還付」サービス(2025年4月16日記事参照)を受けることができる。

会場では、古代エジプトの象形文字をパピルス上に書く機械やウズベキスタンの手作りカーペットなど、各国・地域から伝統的な文化関連製品の出品があったほか、ロボットによる獅子舞、詠春拳(中国武術の一種)の実演など、中国伝統文化とテクノロジーが融合したパフォーマンスが注目を集めた。

デザイナーズトイ(注)と立体木製パズルを主力商品とする、江蘇省の出展企業に最近の海外との貿易状況について聞いたところ、「2024年の海外売上高比率は約5割に上っており、中でも比重が高いのは東南アジア地域だ。東南アジアは消費トレンドが中国市場に近いことが背景とみている」とのコメントがあった。

中国国家統計局が2025年2月28日に発表した「2024年国民経済と社会発展統計公報」によると、2024年における中国の一定規模以上の文化および関連産業企業の売上高は前年比6.0%増の14兆1,510億元(約283兆200億円、1元=約20円)だった。

写真 「第21回中国(深セン)国際文化産業博覧交易会」の様子(ジェトロ撮影)

「第21回中国(深セン)国際文化産業博覧交易会」の様子(ジェトロ撮影)

写真 古代中国の詩人李白と杜甫をモデルとする人型ロボット(ジェトロ撮影)

古代中国の詩人李白と杜甫をモデルとする人型ロボット(ジェトロ撮影)

写真 犬型ロボットと中国の伝統人形劇「傀儡戯」のコラボレーション(ジェトロ撮影)

犬型ロボットと中国の伝統人形劇「傀儡戯」のコラボレーション(ジェトロ撮影)

(注)デザイナーズトイとは、アート性やデザイン性が高い玩具製品を指す。

(陳昕)

(中国)

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