トランプ米政権が中型・大型トラック、重要鉱物の輸入に対する232条調査を開始、パブコメ募集

(米国)

ニューヨーク発

2025年04月24日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は4月23日、1962年通商拡大法232条に基づき、中型・大型トラックおよび重要鉱物の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響を判断するための調査を開始したと発表した(中型・大型トラック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます重要鉱物外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。重要鉱物に関しては、ドナルド・トランプ大統領が4月15日に、商務長官に対して232条調査の実施を指示する大統領令を発令しており(2025年4月16日記事参照)、それが官報として発表されたかたちだ。BISは調査に関連する意見や情報について、5月16日までパブリックコメントを受け付ける(注1)。

1962年通商拡大法232条は、特定製品の輸入が米国の国家安全保障に脅威を及ぼすと商務長官が判断した場合に、追加関税などの措置を発動する権限を大統領に認めている。自動車の米国輸入に関しては、乗用車・小型トラックに対する25%の232条追加関税が4月3日から課されているが、中型・大型トラックに対する232条追加関税はこれまで課されていなかった(2025年4月3日記事参照)。

今後、商務長官は大統領令が発表された日から270日以内に調査を完了し、米国の国家安全保障に脅威を及ぼすか否かの判断や、追加関税などの措置の提言を含めた報告書を大統領に提出する(注2)。

4月25日付で公示予定の官報案(中型・大型トラック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます重要鉱物外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によれば、調査対象の中型・大型トラックの定義は次のとおり。ただし、調査対象の関税分類番号(HTSコード)は現時点で示されていない。

中型・大型トラックと同部品・派生品

  • 中型トラック:車両総重量が1万ポンド(約4.5トン)以上、2万6,001ポンド(約11.8トン)未満のトラック
  • 大型トラック:車両総重量が2万6,001ポンド(約11.8トン)以上のトラック
  • 中型・大型トラック部品:エンジン・エンジン部品、トランスミッション・パワートレイン部品、電子部品など中型・大型トラック部品およびシステム

(注1)パブリックコメントは連邦政府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから提出可能。案件番号は中型・大型トラックがBIS-2025-0024、重要鉱物がBIS-2025-0025。

(注2)232条に基づく調査、報告、措置決定などの手続きの詳細は、2024年12月10日付地域・分析レポート参照

(葛西泰介)

(米国)

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