パキスタン首相、ウズベキスタンを公式訪問、鉄道建設調査で合意
(ウズベキスタン、パキスタン、アフガニスタン)
タシケント発
2025年03月21日
パキスタンのシァバズ・シャリフ首相は2月25~26日、ウズベキスタンを公式訪問した。訪問の目的の1つは、ウズベキスタンからアフガニスタンを経由してパキスタンに至る輸送の確立だった。両国間では、首脳の共同宣言や、最高レベルの2国間戦略的パートナーシップ協議会の設立に関する議定書、科学・イノベーション、専門教育、青少年政策の分野の協力、両国の省庁間の協力に関する文書などが署名された。また、パキスタン首相の公式訪問の一環として、26日にビジネスフォーラムが開催され、商工会議所間の協力のほか、運輸、皮革製品分野での協力文書交換式が行われた。
ウズベキスタンは、アフガニスタンを経由しパキスタンに至る複合輸送路の開発、特にテルメズ(ウズベキスタン)~マザリシャリフ(アフガニスタン)~カブール(同)~ペシャワル(パキスタン)間の鉄道の建設に関心を示している(2024年5月14日記事、2024年8月26日記事参照)。会談後、双方はマザリシャリフからハルラチ(アフガニスタンとの国境に位置するパキスタンの都市)までの鉄道建設へ、フィジビリティー・スタディーを実施する資金を割り当てることで合意した。また、2024年に4億ドル超に達した2国間貿易を20億ドルに増加させるため、共同で輸送・物流会社の設立にも合意した(「Gazeta.uz」2月27日)。
同鉄道の建設については、関係国当局間で本格的な検討が2018年に始まった。2023年5月に、タシケントにアフガニスタン横断鉄道の建設を調整する事務所が開設された。2023年7月には、テルメズ~マザリシャリフ~ロガール(アフガニスタン)~ハルラチ(パキスタン)間の鉄道建設に関する協定をウズベキスタン、アフガニスタン、パキスタンの3カ国が調印した。
しかし、同鉄道の課題は建設資金の確保にある。2022~2023年の調査により、建設費用の予算が当初の46億ドルから70億ドルに上方修正され、資金源確保の難航が予測された。「Gazeta.uz」(2月27日)によると、国際金融機関からの資金調達も未定という。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、パキスタン、アフガニスタン)
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