中国商務部長、ドイツ自動車トップとBEVへの相殺関税について意見交換
(中国、ドイツ、EU)
北京発
2025年03月31日
中国商務部の王文涛部長は3月21日、欧州自動車工業会(ACEA)会長兼メルセデス・ベンツ最高経営責任者(CEO)のオラ・ケレニウス氏と会談を行い、メルセデス・ベンツの中国での協力や、EUによる中国製のバッテリー式電気自動車(BEV)に対する相殺関税措置(2024年11月5日記事、2024年11月6日記事参照)などについて意見交換を行った。
王部長は会談で、複雑で不安定な国際環境の中、中国経済は安定した成長を維持し、力強い回復力と内生的活力があるとした上で、中国は高水準な対外開放を継続的に拡大し、国際情勢がどのように変化しようとも、中国の対外開放は決して閉ざされないとした。また、中国と欧州はWTOの屋台骨であり、中国製BEVに対するEUの相殺関税措置が適切に処理されることは、中国とEUの関係にとって非常に重要で、中国とEUが対話を通じてWTOのルールに従い、相違点を解決する意思と能力を持ち、双方の産業と協力の発展のために安定した予測可能な経済貿易環境を作り出すという前向きで明確なシグナルを世界に発信することになると強調した。
商務部によると、ケレニウス氏は、メルセデス・ベンツにとって中国市場は戦略的意義を有しており、中国への投資を引き続き拡大し、中国のパートナーとの協力を深め、世界経済と貿易の課題に共同で臨んでいきたいと述べた。また、EUの自動車業界は中国との協力を重視しており、欧州と中国におけるBEVに係る事案を注視しており、早期に双方の対話と協議を通じて合意に達することを期待しているとした。
翌22日には、王部長はBMWのオリバー・ツィプセ取締役会長と会談し、前日のケレニウス氏との会談同様、BMWグループの中国での協力、EUによる中国製BEVに対する相殺関税措置などについて意見交換した。
商務部によると、王部長は、BMWを含む外資系企業に向けたビジネス環境の最適化を継続すると示した。ツィプセ会長は欧州のグリーン変革は中国との協力と切り離すことはできないとし、BMWグループは中国での生産と研究開発の現地化を加速させ、中国のパートナーとの戦略的協力を深めていくとした。BMWグループはEUによる中国製BEVへの追加関税措置に反対し、欧州と中国の双方が相違点を適切に解消し、互恵的協力関係を深め、現在と将来の課題に共同で取り組むことを望むと述べた。
(亀山達也)
(中国、ドイツ、EU)
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