2024年カカオ輸出額は16億9,610万ドル、前年比19.5％減少

ガーナ中央銀行の2025年1月の経済および金融データ概要発表によると、ガーナの2024年のカカオ輸出額は16億9,610万ドルとなり、2023年の21億660万ドルと比較すると約4億ドル、19.5％減少となった。

輸出減少の要因としては、生産量の減少が挙げられる。ガーナのカカオの生産量は2021年には100万トンを超えていたが、2024年には50万トンまで落ち込んでいる。その他の要因としては、先物販売契約も挙げられる。カカオの世界相場は2024年12月に過去最高値を記録し、前年同月と比較して2.6倍に上昇し高騰を続けているが、カカオの先物販売契約を行っているガーナは、その利益を得られていない状況だ。

カカオはガーナにとって、外貨獲得にために重要な輸出品だ。デフォルト中のガーナは現在、IMFのEDFプログラム（注）を実行中だが、このプログラムでは、輸出収入により対外債務返済能力を向上させることが求められている。カカオの輸出額減少と外貨収入の減少は、国の財政への大きな懸念となっている。

（注）IMFが規定する算出方法（Balance of Payments and International Investment Position Manual,BPM6）により、中銀が運用する輸出志向型産業を対象とした原材料輸入向けのファンド（Export Develop Fund、EDF）。

（中川翼）