2024年の貿易統計を公表、輸出額は目標超える前年比5.4%増
(タイ)
バンコク発
2025年02月03日
タイ商務省が1月23日に公表した貿易統計によると、2024年の貿易総額は6,073億3,930万ドル(前年比5.9%増)だった。輸出額は3,005億2,950万ドル(5.4%増)で、目標を上回る結果となった。輸入額は3,068億980万ドル(6.3%増)、貿易収支は62億8,040万ドルの赤字だった。
輸出額を品目別に見ると、上位3位は自動車・同部品が310億4,200万ドル(前年比3.6%減)、コンピュータ・同部品が246億1,000万ドル(38.1%増)、宝石・宝飾品が184億2,500万ドル(24.6%増)だった(添付資料表1参照)。主要輸出品目の自動車・同部品が減少する一方で、コンピュータ・同部品、宝石・宝飾品をはじめ、機械・同部品(17.4%増)でも2桁増だった。
輸出の相手国・地域別では、輸出額上位3カ国は、米国549億5,600万ドル(前年比13.7%増)、中国352億4,300万ドル(3.1%増)、日本232億8,600万ドル(5.3%減)だった(添付資料表2参照)。経済の不振が続く中国や日本への輸出が伸び悩む一方、経済成長の堅調な米国への輸出が好調で牽引役となっている。また、世界から注目される有望市場インドへの輸出も16.2%増となった。
輸入を品目別に見ると、原油326億400万ドル(前年比1.3%増)、電子集積回路244億2,800万ドル(24.7%増)、機械・同部品が219億8,600万ドル(3.5%増)だった(添付資料表3参照)。その他、宝飾品(地金銀、金を含む)やコンピュータ・同部品などでそれぞれ6割、5割ほど増加した一方で、天然ガスは2割近く減少した。
輸入の相手国・地域別では、中国806億800万ドル(前年比13.8%増)、日本287億3,500万ドル(7.9%減)、台湾206億6,100万ドル(24.4%増)だった。台湾からの輸入が大きく伸長するとともに、国内での生産過剰が指摘される中国からの増加が目立った(添付資料表4参照)。その他、ベトナムからの輸入も2割近く増加した。
商務省によると、2025年の輸出見通しについては、目標(2.0~3.0%増)を達成すると予想している。プラス要因として、世界経済が現在の成長水準を維持し、低インフレ・低金利が予測されることや、タイを含むASEANへの生産拠点移管の増加などを挙げた。他方、マイナス要因として、米国の貿易政策の不確実性、地政学的緊張の長期化、為替レートの変動などを挙げた。
(藤田豊)
(タイ)
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