トランプ米政権への反発でカナダ自由党新党首への期待が高まる、世論調査
(カナダ、米国)
調査部米州課
2025年02月26日
カナダでは、2025年10月20日までに総選挙が予定されている。総選挙における投票を想定した最近の世論調査では、野党・保守党の支持率が与党・自由党をやや上回ったが、3月9日に決定される自由党新党首への期待が高いことがわかった。
調査会社レジェ・マーケティングは2月25日、総選挙に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、もし今日総選挙が行われたら、どの政党に投票するかという問いに対して、保守党の支持率が38%と自由党(35%)をやや上回った。また、マーク・カーニー元カナダ銀行総裁が自由党の党首になった場合、どの政党に投票するかという問いに対しては、自由党の支持率が32%と保守党(30%、党首:ピエール・ポワリエーブル氏)をやや上回り、自由党新党首への期待の高さを示した。
ジャスティン・トルドー首相が1月に辞意を表明し(2025年1月7日記事参照)、次の自由党党首は3月9日に決定される予定だ。党首候補として、カーニー氏、クリスティア・フリーランド前副首相兼財務相などが立候補している。
調査会社イプソスが2月に実施した世論調査(注2)によれば、総選挙を想定した投票では、自由党の支持率が38%と保守党(36%)を2ポイント上回った。4年近く保守党の優勢が続いていたが、カナダの有権者の間で米国のトランプ政権に反対する感情が高まり、自由党の新指導部への期待感が自由党への支持を押し上げたとしている。
また、ドナルド・トランプ米大統領による関税の脅威への対処として強力な指導力と明確な権限を確立するために、即時の総選挙が必要と86%が回答した。
CBCニュース(2月23日)が発表した各党支持率の各種世論調査の平均値では、保守党が41.8%と自由党の27.4%を上回ったが、両党の支持率の差は、2024年12月9日時点の平均値(2024年12月10日記事参照)と比べると、21ポイントから14ポイントに縮小した。そのほかの政党支持率は、新民主党(NDP、15.4%)、ブロック・ケベコワ(7.7%)、緑の党(4.0%)が続いた。
(注1)実施時期は2025年2月21~23日。対象者はカナダの成人1,534人。
(注2)実施時期は2025年2月21~24日。対象者はカナダの成人1,000人。
(松岡智恵子)
(カナダ、米国)
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