2024年の対内直接投資、申告ベースで過去最高を記録
(韓国)
ソウル発
2025年01月20日
韓国産業通商資源部は1月7日、2024年の対内直接投資が申告ベースで345億7,000万ドル(前年比5.7%増)と過去最高額を記録、実行ベースで147億7,000万ドル(前年比24.2%減)を記録したと発表した。
業種別、国・地域別、形態別の内訳は次のとおり(文中の数値は全て申告ベース)。
〇業種別
- 製造業は144億9,000万ドルで、前年比21.6%増加した。特に電気・電子(52億6,000万ドル、前年比29.4%増)、機械装備・精密医療(23億5,000万ドル、同2.7倍)、医薬(7億1,000万ドル、同2.1倍)などの分野で増加した。また、半導体(13億3,000万ドル、同46.5%増)、バイオ(12億3,000万ドル、同3.5倍)といった「国家先端戦略産業」(注)で、投資額が大幅に増加した。
- サービス業は178億3,000万ドルで、前年比0.3%の増加だった。分野別では、不動産(29億7,000万ドル、前年比67.6%増)、情報通信(21億4,000万ドル、前年比13.8%増)などで増加した。
〇国・地域別
- 日本(61億2,000万ドル、前年比4.8倍)、中国(57億9,000万ドル、同3.7倍)からの投資はいずれも大幅に増加した。
- 米国(52億4,000万ドル、前年比14.6%減)とEU(51億ドル、同18.1%減)からの投資は減少した。
〇形態別
- グリーンフィールド投資は前年比13.5%増の267億ドルで、2023年(235億4,000万ドル)を上回り、過去最高を記録した。
- M&A型投資は78億6,000万ドルで、前年比14.5%の減少だった。
産業通商資源部では、米国をはじめとした主要国での政治的な変化や地政学的リスクが増大しているにもかかわらず、過去最高の投資額を記録することができたと評価した。同部はさらに、半導体やバイオ分野の投資額が増加したことで、韓国内での先端産業の生産拡大やサプライチェーン強化が期待できるとした。
(注)韓国政府は半導体、ディスプレー、二次電池、バイオの4分野を「国家先端戦略産業」に指定し、産業成長基盤の構築を集中的に推進している。
(橋本泰成)
(韓国)
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