湖北省の企業開発の空飛ぶ車、2025年のテスト飛行を予定

(中国)

武漢発

2024年12月24日

中国・湖北省ドローン産業協会の会長兼湖北電鷹科技の蔡曉東董事長は12月13日、武漢東湖高新区で、同社が研究開発を行う「eVTOL」(「Electric Vertical Takeoff and Landing」の略称、電動垂直離着陸機を意味する。以下、空飛ぶ車)についての説明を行った。湖北電鷹科技は2014年に武漢市武昌区の南部に位置する東湖新技術開発区(通称「光谷」)で設立された企業で、ドローンAI(人工知能)の研究開発を主な事業としている。今回発表した製品は2025年中のテスト飛行を見込んでいる。

蔡董事長は同製品について「最大4人まで乗車が可能で、電気を動力とする。航続距離は100キロ、日々の近距離移動に役に立つ。また、ヘリコプターと比べて、環境に優しく、機動力や利便性が高い」としている。

蔡董事長は空飛ぶ車の用途として、旅客輸送と貨物輸送を挙げている。旅客輸送については、このような空飛ぶ車を用いた低空域旅客輸送は都市圏の渋滞対策に有効だとし、出勤・退勤時にこれを利用することで、通勤時の地理的な制約を受けないという利点があるとした。貨物輸送については、低空物流航路の明確なニーズが存在するとした上で、都市間や離島間、アクセスが不便な山奥でも、人々が生活している地域全般でニーズがあると述べた。

中国国内の低空経済の競争過熱に伴い、湖北省と武漢市も、配送用低空飛行ドローンの運航(2024年11月18日記事参照)など、積極的な取り組みを見せている。今回の空飛ぶ車のテスト飛行などの実証が進むことで、湖北省での低空経済のさらなる発展が期待される。

(西島和希)

(中国)

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