英政府、女子スポーツへの投資を促進、男子サッカーのガバナンス強化に向けた法案提出

(英国)

ロンドン発

2024年10月25日

英国政府は10月23日、女子スポーツチームやリーグへの投資促進を目的とした「女子スポーツ投資アクセラレーター制度」を開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ポピー・グスタフソン投資担当相が発表した。

この制度は、政府と英国デロイトが主導し、スポーツ関係者と投資家や業界の専門家を集め、包括的な市場情報、セミナー、人脈やネットワーキングなどの機会を設けることで投資やスポンサーの確保を支援するもの。政府は女子スポーツ選手の育成、スポーツ分野でのキャリアの構築を支援するため、さらなる発展、商業的成長、および財政的な持続可能性の確保に重点を置くとしている。デロイトによれば、英国の女子スポーツ産業は急速な発展を遂げているとし、2024年末までに2021年より4倍増の10億ポンド(約1,970億円、1ポンド=約197円)を超える市場に発展すると予測している。

同制度はサッカー、ラグビー、クリケット、ゴルフ、バレーボール、セーリング、ネットボールの7競技を対象に、2023年度にパイロットとして実施されていた。2024年度はテニスと自転車を含めた9競技について、チーム、リーグや大会を対象に実施し、より大きな投資やスポンサー契約の確保に向けて取り組むとしている。

さらに、英国政府は10月24日、男子サッカーのガバナンス強化に向けた法案の提出を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。複数のクラブで財政管理が適切に行われていなかったことなども踏まえ、独立規制機関を設立し、クラブの保護およびファンの支援に向けた新たなルールを導入するとしている。新設される予定の規制機関は、ライセンス制度の運用を通じ、一貫したクラブの運営手法の確保、財政監視、ファンとの関係改善を支援する。さらにクラブに対して、チケット価格の変更や本拠地移転に関する提案について、ファンとの効果的な関与を明確に義務づけるとしている。さらに、今後導入する予定の新たなコーポレートガバナンス規範を通じ、「多様性、公平性、包摂性(DEI)」に関する取り組みについて報告することを各クラブに求めるとしている。

(松丸晴香)

(英国)

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