9月の貿易赤字は約208億ドル、前月から縮小
(インド)
ムンバイ発
2024年10月18日
インド商工省(MoCI)が10月16日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、9月の貿易収支は約208億ドルの赤字だった(添付資料図参照)。貿易赤字は2020年6月以降続いているが、前月(296億ドル)から29.9%縮小した。輸出額(サービスを除く)は345億8,215万ドルで、前年同月比0.5%増加、輸入額は553億6,327万ドルで、1.6%増加した。
輸出額の内訳を見ると、金額の大きいエンジニアリング製品98億2,433万ドル(前年同月比10.6%増)、医薬品25億6,716万ドル(7.2%増)、有機・無機化学製品23億6,110万ドル(11.2%増)、電子製品20億7,307万ドル(7.9%増)などが増加した。一方で、石油製品47億3,546万ドル(26.7%減)、宝石類28億1,967万ドル(11.5%減)などは減少した。
輸入額に関しては、電子製品84億7,351万ドル(4.9%増)、電気・一般機械45億2,824万ドル(17.4%増)、金43億9,451万ドル(6.9%増)、有機・無機化学製品24億3,014万ドル(13.4%増)などが増加した。一方で、輸入額全体の2割強を占める石油製品・原油が125億3,903万ドルで、前年同月比10.4%減となった。
現地報道では、「地政学的緊張の高まり、地経学(注)的な分断、不安定な原油価格は、輸出を減少させ、輸入を急上昇させる可能性がある」との業界団体の声や、「9月の石油製品輸出額は前年同月比約26%減と大幅に減少している。中東で紛争が発生している中での石油製品価格の低迷は、今後のインドの輸出にとって懸念材料になる可能性がある」との政府系機関幹部の見方を紹介している(「ミント」紙10月16日、「インディアン・エクスプレス」紙10月17日)。
(注)経済を活用して地政学的な目的を達成すること
(篠田正大)
(インド)
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