2024年の中東の輸出量は4.7%増、輸入量は9.0%増、WTO予測
(中東、世界)
調査部中東アフリカ課
2024年10月23日
WTOは10月10日、最新の世界貿易見通し(2024年10月更新版)を発表し、2024年の中東(注)における輸出量の伸びを前年比4.7%増、輸入量の伸びを9.0%増と予測した。前回2024年4月時点の予測(2024年4月12日記事参照)では、同地域の輸出量の伸びを3.5%増、輸入量の伸びを1.2%増と予測しており、輸出量で1.2ポイント、輸入量で7.8ポイントの上方修正となった。また、2025年の中東における輸出の伸びは前年比1.0%増、輸入の伸びは1.1%減との予測だ。
世界の2024年の財貿易量(輸出入平均)は前年比2.7%増と予測しており、前回予測から0.1ポイントの上方修正を行った(2024年10月15日記事参照)。
WTOは貿易の見通しに対する下振れリスクとして、地域紛争の拡大や主要経済国間の金融政策の相違による金融の不安定化、地政学的判断によるサプライチェーンの分断などを挙げているが(2024年10月15日記事参照)、中でも中東地域における紛争の激化は、特に直接関与している国・地域にとって、世界および地域の貿易のフローに悪影響を及ぼす可能性があるとしている。また、その影響は、海運のさらなる混乱やリスクプレミアムの上昇によるエネルギー価格の上昇などを通じて他の地域にも及ぶと予測している。
(注)バーレーン、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメンの14カ国・地域を含む。
(久保田夏帆)
(中東、世界)
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