ブルガリアの強みは高度な技術・IT人材、ジェトロがミッション派遣
(ブルガリア、日本)
ブカレスト発
2024年10月30日
ジェトロは10月15~18日、計70社・92人から成るブルガリア・セルビア・ビジネスミッションを派遣した(セルビアへのミッション派遣に関する記事は2024年10月30日記事参照)。
ブルガリアでは15日午前、首都ソフィア市内のホテルで、日本ブルガリア・ビジネスフォーラムを開催し、両国の政府や企業の関係者ら約130人が出席した。
冒頭、ミッションの団長を務めるジェトロの片岡進副理事長のほか、来賓としてブルガリアのダビッド・スカリンスキ経済産業副大臣、クラシミル・ヤキモフ革新成長副大臣、ソフィア市のイバン・バシレフ副市長があいさつを行った。
基調講演では、道上尚史・駐ブルガリア大使がブルガリアの魅力を2つのポイントで説明した。1点目は、技術・IT分野で高度な人材を有することや、労働コストがEU域内で最低レベルといったビジネス環境にあるとした。2点目は、ブルガリアがEUやNATOに加盟し、両組織との関係が非常に強固な点だとし、日本が同国とビジネス関係を築く上での「安心材料」になるとした。
道上大使はまた、近年、両国のビジネス関係が再度活性化していると説明し、例として、2024年9月に両国政府がブルガリアのチャイラ水力発電所の改修を含むエネルギー関連の協力覚書を締結したことに言及した。欧州で最も先進的かつ大規模な同水力発電所は、1982年に東芝がブルガリアで建設を受注した。
続いて基調講演を行ったブルガリア投資庁のミラ・ネノバ長官は、ブルガリアの通貨レフはユーロとの固定為替レートを持つほか、法人・個人所得税は10%の単一税制であることや、国営や自治体運営、民営とさまざまな工業団地があることなど、ビジネス環境の優位性をアピールした。ブルガリアで最も成長著しい分野は自動車産業で、特にセンサーの製造が盛んだという。
また、ブルガリア進出企業4社が自社の事業などについてプレゼンテーションを行った。また、米国の非営利スタートアップ支援組織エンデバーのブルガリア拠点がブルガリアのスタートアップエコシステムについて説明した。その後、ネットワーキングを兼ねた昼食会を開催した。
同日、片岡副理事長や参加企業の一部はルメン・ラデフ大統領を表敬訪問した。同大統領は、日本は東アジアで最も重要な友好国・パートナー国だとし、日本からの投資を歓迎し、支援すると表明した。
一行は同日、ソフィア・テックパークも訪問し、同敷地内にあるコンピュータサイエンス・人工知能(AI)・技術研究所(INSAIT)を視察したほか、現地スタートアップとのピッチイベントを行った。
翌16日には、欧州初の認可無人貨物機航空会社ドロナミクスを視察後、ソフィア州のボジュリシュテにある国営の工業団地を訪問し、入居企業2社を視察した。
(森友梨、高崎早和香)
(ブルガリア、日本)
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