ドイツの9月インフレ率、前年同月比1.6%に低下

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2024年10月25日

ドイツ連邦統計局10月11日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比1.6%で、2021年2月(同1.5%)以来最低を記録した。2022年9月~2023年2月には9%近い水準にまで達し、大きな懸念材料だったが、2024年7月は2.3%、8月は同1.9%と、安定した水準に落ち着きつつある。

この要因としては、エネルギー価格の下落が大きい。9月には前年同月比7.6%減となり、物価上昇抑制の要因となった。このうち燃料価格は同12.6%減、家庭用エネルギーが4.0%減だった。エネルギー価格は2022年3月から11月にかけて、前年同月比で30%台まで増加の高騰が続いていたが、2023年10月から減少に転じている。

一方、食料品価格は9月に前年同月比1.6%増と、8月の1.5%増からわずかに増加した。そのうち食用油脂と食用油は前年比16.6%増、特にオリーブオイルは29.6%増、バターは29.3%増で、大幅に価格が上昇した。ほかにも、砂糖やジャムなどを含む菓子類(5.4%増)、果物(3.7%増)、パン・穀物類(1.2%増)の価格が上がった。サービスについても3.8%増と、4%近い水準が継続している。

欧州の統一基準に照らしたドイツの物価上昇率(HICP)は9月には1.8%で、欧州中央銀行(ECB)が設定する目標値の2%を下回った。ただし、ほかのユーロ圏主要国では、フランス1.4%、イタリア0.7%、スペイン1.7%で、ドイツはやや高めの水準だ。2024年末にかけて再び上昇率が高まる見通しだとされている(公共放送「ARD」10月11日)。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(ドイツ)

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