イランがイスラエルにミサイル約200発を発射、イスラエルは対抗措置の構え
(イラン、イスラエル、米国、パレスチナ、レバノン、カタール)
テルアビブ発
2024年10月03日
イスラエル国防軍(IDF)トップのヘルジ・ハレビ参謀総長は10月2日にテルノフ空軍基地を訪問し、イランが1日夜に約200発のミサイルをイスラエルに向けて発射したことを明らかにした。イスラエルのほぼ全域で防空警報が鳴ったが、ハレビ参謀総長は「適切な民間人の行動と質の高い防衛のおかげで、被害は比較的軽微だった」とし、「われわれは反撃を行う。われわれは重要な標的を特定し、正確かつ強力に攻撃する方法を知っている」と述べた。
イスラエル首相府によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は10月1日夜の安全保障閣議の冒頭、「イランの攻撃はIDFのおかげで阻止された。また、わが国の防衛活動を支援してくれた米国に感謝する」と述べた。イランに対しては、「イランは大きな過ちを犯し、その代償を払うことになるだろう」と述べた。
一方、10月1日のイスラーム共和国通信(IRNA)によると、イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)は1日、ハマスのイスマイル・ハニヤ政治局長(2024年8月1日記事参照)、レバノンのヒズボラ指導者のハッサン・ナスララ師(2024年9月30日記事参照)、IRGCのアッバス・ニールフォルシャーン准将のそれぞれの死亡や、パレスチナやレバノンでの犯罪に対する報復措置として、イスラエル中心部の重要な軍事・安全保障目標を攻撃したと述べた。さらに、イスラエルが反撃した場合には、イランはより厳しい報復措置を取ると警告した。
イラン大統領府によると、マースード・ペゼシュキヤーン大統領は10月2日、訪問先のカタールでタミム・アル・サーニ首長と共同記者会見を行い、「われわれは戦争や流血を望んでいるわけではない」と述べる一方、イスラエルが過ちを犯した場合、イランは断固として強力な対応を取るだろうと強調した。
ホワイトハウスによると、米国のジョー・バイデン大統領は10月2日、アンドルーズ空軍基地で記者団に対し、イスラエルによるイランの核施設の攻撃は支持しないと述べ、イスラエルの対応については「これからイスラエル側と協議することになる」と述べた。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イラン、イスラエル、米国、パレスチナ、レバノン、カタール)
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