バイデン米政権、半導体関連の米インフィネラにCHIPSプラス法で9,300万ドルの助成発表
(米国)
ニューヨーク発
2024年10月21日
米国商務省は10月17日、米国の光半導体および機器メーカーのインフィネラに対し、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき最大9,300万ドルを助成することで、同社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。
2022年8月に成立したCHIPSプラス法は、米国内半導体産業の振興を目的に、半導体製造施設や半導体製造装置などの建設や拡張などを行う企業に対して390億ドルの助成と25%の投資税額控除を行うほか、研究開発を行う企業に対して110億ドルの助成などを規定している。CHIPSプラス法に基づく半導体製造施設などの投資への助成金拠出の発表は今回21社目(注)で、助成額の合計は360億ドル以上に達する。
助成対象となるのは、同社のカリフォルニア州サンノゼのリン化インジウム(InP)を用いた光半導体基板の製造施設の建設および、ペンシルベニア州ベツレヘムの試験・パッケージング施設の建設プロジェクトだ。商務省の発表によると、両プロジェクトを通じて、同社の光半導体生産能力を現在の10倍に増強するほか、製造と建設現場でそれぞれ約500人、約1,200人の雇用創出を見込んでいる。同社は商務省からの助成のほか、財務省に対してCHIPSプラス法に基づく25%の投資税額控除を申請する予定だ。
商務省のジーナ・レモンド長官は「人工知能(AI)、電気自動車(EV)、通信インフラなどの21世紀の技術は全て、インフィネラが製造するような光半導体に委ねられている」と今回の助成の重要性を述べた。
インフィネラも同日にプレスリリースを行い、同社のデビッド・ハード最高経営責任者(CEO)は「CHIPSプラス法に基づく助成提案により、当社のサプライチェーンの安全性が向上し、より効率的に競争相手国と競争できるようになる。当社独自の光半導体は、消費者からの帯域幅に対する需要の高まりに対応すると同時に、AIによる処理量の急速な増加伴うデータセンターで新たな市場を開拓する」と述べた。
(注)直近20社目は、10月15日に米国ウルフスピードのノースカロライナ州およびニューヨーク州の半導体関連施設の建設・拡張に対して発表されていた(2024年10月16日記事参照)。
(葛西泰介)
(米国)
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