3年7カ月ぶりに政策金利引き下げ、6.00%に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2024年09月26日

インドネシア銀行(BI、中央銀行)は9月18日、前日から2日間にわたって開かれた理事会(金融政策決定会合)の結果、政策金利の7日間リバースレポ金利を0.25ポイント引き下げて、6.00%にすると発表した(9月19日BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利、貸付ファシリティー金利も、それぞれ5.25%、6.75%に引き下げた。インドネシアは2024年4月に政策金利を6カ月ぶりに引き上げ、6.25%としていた(2024年4月30日記事参照)。政策金利を引き下げるのは2021年2月以来3年7カ月ぶりだ。

BIは政策金利引き下げの理由について、プレスリリースで「米国で経済成長の鈍化と失業率の上昇を背景に利下げが行われる可能性が高いことや、欧州中央銀行(ECB)や中国人民銀行による政策金利引き下げなど、先進国の金融政策は緩和傾向にある。このような状況下で、今回の決定は、2024年と2025年のインフレ率を1.5%~3.5%の範囲内に収め、通貨ルピアの安定性を強化し、さらなる経済成長を促すための措置」とした。また「低水準にあるインフレや上昇傾向にあるルピア相場、景気動向などを考慮しつつ、追加利下げの余地を探る」との考えを示し、次回会合以降での追加利下げの可能性を示唆した。インフレ率(消費者物価指数の上昇率)は5カ月連続で鈍化し、8月時点で2.12%だったほか、ルピアの対ドル相場は、2024年9月17日時点で1ドル15,330ルピアと、8月末時点から0.78%上昇していた。

メイバンク・インドネシアのミルダル・グナルト経済・産業・国際市場担当は、政策金利の引き下げによって商業銀行の貸出金利が引き下げられる可能性があることを踏まえ、「金利の引き下げは企業活動を活性化する一助となるだろう。また、企業だけでなく、一般消費者にとっても、貸出金利の引き下げは魅力的だ。消費者の購買力増加も期待できる」と述べた。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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