ブラジルの経済団体LIDEがインド事務所開設、2国間貿易強化を後押し
(インド、ブラジル)
ムンバイ発
2024年09月17日
ブラジルのサンパウロを拠点とする経営者組織「ビジネスリーダー・グループ(LIDE)」は、インドと南米、特にブラジルとの2国間貿易促進を目的に、インド西部ムンバイに事務所を開設すると発表した。11月にブラジルで開催されるG20サミットを控える中で、BRICS、グローバルサウスの主要国同士が経済的な連携を深める後押しを目指す。
LIDEには2,000社以上の民間企業が加入し、イノベーションや経済成長の推進を掲げ、国際的なネットワークを築く活動をしている。既に20カ国以上に拠点を持ち、農業やテクノロジーなど34分野に注力している。
2025年8月にはインドで4日間にわたる国際会議を開催する計画があり、南米諸国のほか20カ国以上から150社を招き、新たな提携や成長機会の模索が行われる見込みだ。
インド外務省も引用する現地報道では、LIDE共同会長のジョアン・ドリア・ネト氏のコメントが紹介されており、インドオフィス開設はブラジルとインドの経済関係強化を目的としたものだという。特に民間部門の協力を深め、農業や航空宇宙、防衛、安全保障、テクノロジーなどの分野で新たなビジネスチャンスの創出を目指す姿勢を表明しているほか、鉱物資源、石油・ガス、医薬品、観光などの分野にも注力する予定とした。加えて、同氏は、ブラジルから米国や欧州への観光が盛んな一方、インドへの観光需要が小さいことも指摘し、観光分野の可能性を強調して、両国間のさらなる観光客の増加が経済関係の強化にもつながるとの見解を示した。また、2国間貿易額は2023年度(2023年4月~2024年3月)に120億ドルに達しているが、今後さらなる成長の可能性があると述べた(「エコノミック・タイムズ」紙9月11日、「フィナンシャル・エクスプレス」紙9月11日)。
(篠田正大)
(インド、ブラジル)
ビジネス短信 bb1bdfda3c9885b0