第2四半期の実質GDP成長率、前年同期比2.5%に減速

(トルコ)

イスタンブール発

2024年09月12日

トルコ統計機構(TUIK)の発表(9月2日付)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比2.5%と、市場予測(3.2%)よりも減速を見せた。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では0.1%で、前期(1.4%)から減速した。

第2四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出が前期(注)の6.8%から1.6%へと大きく減速し、同期の成長に響いた。インフレは5月の75.45%をピークに、8月には51.97%まで抑制が進んでおり、これまでの家計がインフレの進行を見越して前倒しで商品を購入するという消費傾向に一服感が見られる。同様に、政府支出も0.7%にとどまり、2023年第3四半期(7~9月)以降、好調が続いていた民間投資を含む総固定資本形成も、0.5%と減速している。輸出は前年同期比0.04%だったが、輸入はマイナス5.7%と縮小した。メフメット・シムシェキ国庫・財務相は、成長に対する内需の寄与度は1.2ポイントに低下したが、純外需のプラス寄与度は1.3ポイントになったと評価した。

生産部門別にみると、建設が前期(11.0%増)から減速がみられるものの、前年同期比6.5%増と好調だった。不動産部門と農林水産部門が3.7%増、情報通信部門と金融・保険業が3.4%増、その他サービス部門が7.4%増だった。他方、製造業が前期の3.6%増から2.9%減へと低迷した。

シムシェキ国庫・財務相は「脆弱(ぜいじゃく)性を大幅に軽減し、困難な時期を乗り越えた」とし、成長が安定し始め、経常赤字は縮小、リスクプレミアムは低下、外貨フローは加速、外貨準備高が改善し、トルコがディスインフレプロセスに入ったと主張した。また「恒久的な物価安定を確保し、持続可能な成長の基盤を強化するための政策を断固として実行し続ける」と述べた。

(注)TUIKは第1四半期(1〜3月)のGDP成長率を改定し、5.7%から5.3%に下方修正した。

(中島敏博)

(トルコ)

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