ベストスタートアップ100を発表、2024年の首位はクリーンテック
(スイス)
ジュネーブ発
2024年09月13日
スイス最大のスタートアップ表彰イベント「スイス・スタートアップ・アワード」が9月4日に開催され、最も将来性の高い設立5年以内のスタートアップ100社が表彰された。スイスを代表するスタートアップ支援機関ベンチャーラボ(Venturelab)が主催するこのイベントは、スタートアップがスイスで認知される登竜門のような存在で、受賞したスタートアップには国内外の投資家や各界のオピニオンリーダーとの交流の場が用意される。
今回首位を獲得したのは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のスピンオフで、洗浄せずに他のプラスチックと混ざったままでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチックを常温でリサイクルする技術を開発したデポリー(DePoly)。2位のコリンティス(Corintis)も同じくEPFLのスピンオフで、半導体から従来の10倍の熱を抽出し、50倍のエネルギー効率を実現するシリコンベースのマイクロ流体冷却技術を持つ。3位のヨコイ・グループ(Yokoy Group)は、人工知能(AI)実装の即時にひと目で確認できる自動化された経費管理システムで、中堅企業・大企業のコスト削減を支援する。
100位以内に入賞したスタートアップの主な分野は、クリーンテック(16社)、バイオテック(15社)、エンジニアリング(15社)、IT(情報技術、14社)、メドテック(13社)、フィンテック(11社)だった。クリーンテックが2023年の17社に続いて分野別の首位だったことから、昨今のスイスのスタートアップ界におけるクリーンテックの勢いを特徴づけている。
(深谷薫)
(スイス)
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