ジェトロ、ホーチミンでグリーン・ディープテックのピッチイベントを開催
(ベトナム)
ホーチミン発
2024年08月14日
ジェトロは7月25日、ホーチミン市内において、在ベトナム日本大使館、ホーチミン日本商工会議所(JCCH)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と共同で、日本企業とベトナムスタートアップ(SU)の交流イベント「Inno Vietnam-Japan Meetup Vol.4 in Saigon」を開催した(注1)。グリーンテックとディープテックをテーマとし、製品の研究開発を行うベトナムのSU6社がピッチに登壇。会場とオンラインのハイブリッド形式で合計約160人が参加した。
登壇者と主催者の集合写真(ジェトロ撮影)
イベント会場では各社の製品を展示。(左)Vulcan Augmeticsのロボット義手、(右)Realtime Roboticsのドローン(ともにジェトロ撮影)
イベントでは、ベトナムSUへの投資動向などをまとめたレポート(2024年5月15日記事参照)を発表している地場ベンチャーキャピタル(VC)、Do Venturesのビー・レー共同創業者兼ジェネラルパートナーが基調講演で登壇。ベトナムSUエコシステムや投資動向について解説。「ベトナムのSUは、創業年代により3つの世代に区分され、それぞれ異なるマインドセットを有す。最も新しい2015年以降創業の第3世代(本イベントの登壇SU)は、主要なデジタル分野はすでに競合が存在しているため、地域の特性を理解しつつ、競争優位性を築くためのコアテクノロジーの構築に重きを置いている」とした。
今回のイベントでピッチを実施した6社は次のとおり(注2)。
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AirX
:農業廃棄物を原料の一部とした、低コストかつカーボンマイナスのバイオプラスチック素材製品の開発・製造。
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Cricket One
:食用コオロギの養殖と、コオロギを原材料とした食品素材、菓子の開発・製造。
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MET EV
:アプリを通じて、移動履歴の記録や充電状態、近くのバッテリー交換ステーションの位置情報を把握できる機能を有したEV(電動)バイク・自転車の開発・製造。バッテリーレンタルサービスを展開することで、消費者に比較的手頃な価格でEVを提供。非EVバイク・自転車をEVに変換できるキットも展開。
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Olli
:おもちゃに組み込める、子供との対話・教育を目的としたバーチャルAI(人工知能)アシスタントの開発と、同AIに連動するモーションフレームワークを組み込んだスマートトイの開発・製造。
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Realtime Robotics
:米国政府が求めるデータセキュリティー要件に準拠したドローンおよび関連サービスの開発・製造。優れた運搬・積載性能、携帯性を持ち、AIによる対象物の自動認識、追跡、データ解析が可能。
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Vulcan Augmetics
:新興市場向けの手頃な価格かつ先進的なロボット義肢装具、義肢装具用センサー・アプリの開発・製造。
登壇SUのピッチにコメンテーターとして、コメント・質問するVCの3人。左からREAZON Capitalの栗加慧Head of Global Investments、Genesia Venturesのホアン・ティ・キム・ズンCountry Director of Vietnam、Do Ventures ビー・レー共同創業者兼ジェネラルパートナー(ジェトロ撮影)
(注1)ジェトロをはじめ、在ベトナム日本大使館、ベトナム日本商工会議所(JCCI、JCCH、JCCID)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は、日越官民連携の枠組み「新しい日越共同イニシアチブ」内で「イノベーション/DX推進」に取り組んでおり、今回のイベントもイニシアチブの活動の一環として実施している(2024年4月4日記事参照)。
(注2)この記事に登場するスタートアップへの取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ(ホーチミン事務所、VHO-PRO@jetro.go.jp)まで連絡を。イベントのアーカイブ動画は後日ジェトロの「J-Bridge」ウェブサイトに公開予定。
(三木貴博、二神直毅)
(ベトナム)
ビジネス短信 e61dbdeae8421555