米ニューヨークのタイムズスクエアで初の日本産和牛プロモーションイベント開催
(米国、日本)
ニューヨーク発
2024年08月01日
ジェトロと在ニューヨーク日本総領事館などで構成する農林水産物・食品輸出支援プラットフォームは7月21日、ニューヨーク市のタイムズスクエアで、日本産和牛を広くプロモーションする消費者向けイベント「Japan Fes × Wagyu Fes 2024~Historic Wagyu Festival at Times Square~」を初めて開催した。
同プラットフォームでは、米国で日本産和牛のさらなる消費拡大のため、米系商流の構築と拡大に向けた機運を高めることを目的として、米系事業者と日系事業者が共同で運営する日米事業者連携ブースの出展を支援した(注)。
同ブースでは、日本産和牛の輸出拡大に向けた需要創出が課題となっている非ロイン系部位を活用したメニューをはじめ、米系事業者の発案などによるメニューが並んだ。
イベント会場(ジェトロ撮影)
ステージイベントでは冒頭、森美樹夫・駐ニューヨーク総領事が「日本産和牛の素晴らしさを全米に広めるため、テキサス州、フロリダ州、カリフォルニア州などの和牛取扱事業者がニューヨークの中心に集結した。日米の事業者が連携したおいしいメニューを堪能してほしい」とあいさつした。イベントへの招待を受けたニューヨーク州上院議員のイウェン・チュー氏(民主党)らは、日米事業者が連携したイベントの実現を喜び、試食した日本産和牛のおいしさを強調した。その他、出展事業者による提供メニューや和牛普及活動の紹介、シカゴ在住シェフによる日本産和牛のカッティングデモンストレーション、産地などに関する教育活動、和太鼓による演奏など、初開催のイベントを大いに盛り上げた。
森総領事やニューヨーク州上院議員らが登壇(ジェトロ撮影)
和牛のカッティングショー(ジェトロ撮影)
来場した消費者からは、次のようなコメントが寄せられた。
- 脂っぽさを少し感じたものの、肉の食感が非常に柔らかく、それ以上に肉のうまみを堪能することができた。
- 日米のコラボレーションとストリートフードらしくない高級食材を使うコンセプトが面白い。
- 目新しいメニューが多くて感動した。
- 自分が食べたメニューに使われた部位は、米国では通常、ステーキとして提供されることがない部位と聞いた。そのような扱いを受けている部位でも、日本産和牛になると、ここまで柔らかいということに驚いた。
日本産和牛を堪能する来場者(ジェトロ撮影)
メニューの一例「A5 Wagyu Burger」(ジェトロ撮影)
また、参加した事業者からは、次のようなコメントが寄せられた。
- タイムズスクエアという世界の流行の発信地で和牛をプロモーションできたのは非常に良い経験となった。日本産和牛を多くの人に味わってもらい、広く発信できた。
- ステーキ文化の米国ではロイン系部位が注目されがちだが、非ロイン系部位でもおいしく食べられるということを消費者に知ってもらう良い機会となった。
- 日本国内の和牛生産者が海外に目を向けるきっかけにもなるような有意義な取り組みだったと感じている。日本の産地や都道府県を巻き込んでオールジャパンで取り組むことができれば、より強力に日本産和牛をプロモーションできると思う。
同プラットフォームでは、日本畜産物輸出促進協会などと連携し、今回のイベントのような消費者向けの取り組みによる日本産和牛の認知度やプレゼンス向上に努めるとともに、企業向けとして、食肉事業者や外食事業者などの日本産和牛の知識・調理技術向上を目的とした教育活動に取り組むことで、日本産和牛の消費の裾野拡大、ひいては輸出拡大を目指している。
(注)米系レストランなどと日系輸入事業者が連携してブースを出展。
(平野裕一郎)
(米国、日本)
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