マクドナルド、南京市で新たなR&Dセンター稼働、今後5年間で約820億円投じる

(中国)

上海発

2024年08月15日

マクドナルド中国は8月6日、江蘇省南京市に建設した研究開発(R&D)センターの新棟が正式に稼働を開始したと発表した。中国のR&D本部と位置づけ、今後5年間で40億元(約820億円、1元=約20.5円)を投じ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。同センターは7階建てで、約450人の研究者を収容可能。複数の大学が所在する「大学城」に隣接することから、人材獲得や技術支援の面でもメリットを得やすいとしている。

同社は、2020年末に中国初のIT戦略研究開発センターを南京市で立ち上げた。マクドナルドのアプリをはじめ、現地独自の情報システムを開発し、中国の約6,200店舗に導入した。新たに発足したR&Dセンターでは、デジタル技術を引き続き活用し、顧客のデジタル体験の向上や店舗運営の効率化、データに基づく効果的な戦略の実施などに注力。同社が掲げる「2028年に1万店達成」の目標を後押しする。

米国のマクドナルド本社は2017年1月に、業績が頭打ちとなっていた中国事業(香港を含む中国での20年間のフランチャイズ権)の株式の一部を手放すと発表。中央国有企業の中国中信集団(CITIC)の子会社(中国中信と中信資本控股)に株式の52%、米投資会社カーライルグループに28%をそれぞれ売却した。その後、マクドナルド中国は2023年11月にカーライルグループの所有株を買い戻したと発表し、これにより米マクドナルドの出資比率は48%に上昇した(残り52%は引き続きCITIC子会社が保有)。足元の状況をみると、マクドナルド本社にとって中国は米国に次ぐ世界第2位の市場となっており、中国の店舗数は2017年時点と比較して倍増するなど、マクドナルドの中国事業は再び成長軌道に乗っている。

(劉元森)

(中国)

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