上半期の小売り・サービス売上高、前年同期比8.6%増、堅調に推移

(ベトナム)

ホーチミン発

2024年08月20日

ベトナム統計総局によると、2024年上半期(1~6月)の小売り・サービス売上高(推計値)は3,098兆7,000億ドン(約18兆2,823億円、1ドン=約0.0059円)で、前年同期比8.6%増と堅調な伸びを示した。

内訳は、小売りが前年同期比7.4%増の2,398兆2,000億ドン、宿泊・飲食サービスが15.2%増の356兆3,000億ドン、観光サービスが37.1%増の29兆4,000億ドン、その他サービスが8.9%増の314兆6,000億ドンだった(添付資料表1参照)。

現地報道によると、小売りの中で伸びが大きかったのは文化・教育関連(前年同期比12.9%増)、家具・家電(11.6%増)、食品(10.4%増)、衣料品(9.6%増)だった。

省・市別にみると、商都ホーチミン市が前年同期比10.0%増の557兆5,000億ドン、首都ハノイ市が10.7%増の408兆4,000億ドンだった。1人当たりの平均所得が高いビンズオン省(注)は13.0%増の166兆2,000億ドンだった(添付資料表2参照)。

ホーチミン市近郊を含め、新たな商業施設の開発進む

ベトナム小売市場は依然として伝統的市場の比率が高いが、スーパーマーケットやショッピングセンターの店舗数は増加傾向にある。ベトナム統計総局が発表した直近の統計年鑑によると、2023年12月末時点(推計)のスーパーマーケットは1,260店舗(2018年:1,007店舗)、ショッピングセンターは266店舗(2018年:212店舗)となる。

ベトナムの大手複合企業ビングループ傘下のビンコムリテールは7月20日に、ホーチミン市直轄のトゥードゥック市の大規模都市区「ビンホームズ・グランドパーク」内に大型ショッピングセンターを開業した。同ショッピングセンターは地上5階建て、総面積は約5万平方メートルで、ベトナム南部で最大規模だ。同商業施設内には、ニトリ(2024年7月23日記事参照)、ユニクロ、無印良品、マツモトキヨシの小売店をはじめ、ロータスフードグループのちよだ鮨(2024年7月3日記事参照)丸亀製麵、CoCo壱番屋のほか、Pizza 4P’s(ピザフォーピース)、すき家など、日本のブランドも多く入居している。さらに、ベトナムの北部と南部で現在計6店舗を展開するイオンモールは、中部地域初となる店舗をトゥアティエン・フエ省の省都フエ市に2024年下期に開業する予定だ。

(注)ホーチミン市に隣接するビンズオン省は、2023年版家計生活水準調査によると、1人当たりの月間平均所得が830万ドン。ホーチミン市(652万ドン)やハノイ市(687万ドン)を上回り、国内で最も高いため、消費市場として注目が集まっている。

(新田和葉、ティエン・グエン)

(ベトナム)

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