7月の失業率は4.2%に上昇、労働参加率は過去最高に
(オーストラリア)
シドニー発
2024年08月23日
オーストラリア統計局(ABS)は8月15日、2024年7月の雇用統計を発表し、失業率(季節調整済み、注)が4.2%だったと明らかにした。失業者数の伸び率が就業者数の伸び率を上回り、失業率は前月から0.1ポイント上昇した。
就業者数は前月比で5万8,200人増加し(0.4%増)、1,446万9,600人となった。一方、失業者数は2万3,900人増え(3.9%増)、63万7,100人だった。前年同月比でみると、就業者数は45万5,400人増加(3.2%増)し、失業者数も9万4,900人増加(17.5%増)した。
雇用形態別にみると、フルタイムは1,001万600人で前月から6万500人増加した。パートタイムは2,300人減少し、445万9,000人となった。就業者数に占める割合はフルタイムが約7割、パートタイムが約3割だった。労働参加率は67.1%、不完全雇用率は6.3%、労働力の未活用率は10.6%だった。
失業率を州別にみると、クイーンズランド州(前月比0.4ポイント増の4.3%)、タスマニア州(0.6ポイント増の4.3%)、南オーストラリア州(0.4ポイント増の4.3%)、首都特別地域(0.9ポイント増の3.9%)、ニューサウスウェールズ州(0.1ポイント増の4.0%)で前月より上昇した。一方、北部準州(0.3ポイント減の4.3%)では低下した。ビクトリア州(4.6%)、西オーストラリア州(3.7%)は、前月と変わらなかった。
ABSは「失業者数も増加したが、就業者数もそれを上回って増加したため、労働参加率は過去最高水準の67.1%に達した」と説明した。また、「2024年3月以降、雇用の月次増加率は0.3%となっており、これは新型コロナ禍前の20年間の平均である0.2%を上回っている。雇用者数と労働参加率は歴史的に高い水準で、失業率と不完全雇用率は歴史的に低い水準にある。これは、労働市場の逼迫が続いていることを示している」と述べた。
(注)全て季節調整済みの数字。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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