第2四半期のGDP成長率は前年同期比4.0%、卸・小売業や製造業が牽引
(ロシア)
調査部欧州課
2024年08月23日
ロシア連邦国家統計局は8月9日、2024年第2四半期の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比4.0%と発表した。第1四半期の5.4%からやや減速したものの、2023年第2四半期以降、5四半期連続でのプラス成長となった。業種別統計のうち、大きく伸びた卸売業(前年同期比8.3%増)、小売業(7.3%増)、旅客輸送(7.3%増)、製造業(7.3%増)が成長を牽引した。
卸売業、小売業など消費関連の指標は2024年上半期でもそれぞれ、前年同期比10.3%増、8.8%増と高い伸びを見せており、消費が依然として活発なことがうかがわれる。ただし単月でみると、6月の伸びは卸売業が前年同月比1.8%増と、1~5月までの2桁の伸びから急減速している。その一方で、小売業は6.3%増と依然として高い伸びを示した。
鉱工業生産では、第2四半期の伸びは鉱業が前年同期比1.7%減となった。鉱石採掘を除き、いずれもマイナスだった(注)。製造業は7.3%増で、金属製品(36.8%増)、コンピュータ・電子・光学機器(29.8%増)、自動車・トレーラー(20.5%増)、その他の輸送機器(24.5%増)など、軍需関連を含むとみられる製品(2024年2月13日記事、2024年5月13日付地域・分析レポート参照)が引き続き大きく伸びた。
その一方、民生品を中心とするその他の機械設備は、5月および6月の大幅減(それぞれ7.4%減、18.6%減)が影響し、第2四半期は前年同期比7.1%減となった。
(注)原油・天然ガス採掘は2023年3月から非公表。連邦国家統計局の鉱工業生産統計資料では天然ガスおよび液化天然ガス(LNG)の生産量は公表されているが、経済発展省の資料とは項目が一致しない。
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