中国の上半期の経済成長率は5.0%、政府目標を維持、第2四半期は4.7%
(中国)
北京発
2024年07月17日
中国国家統計局は7月15日、2024年上半期(1~6月)のGDP実質成長率は前年同期比5.0%だったと発表した(注1)。政府目標の5.0%前後は維持したが、同年第1四半期(1~3月)の5.3%から減速した。第2四半期(4~6月)は前年同期比4.7%、前期比0.7%だった。前期比の伸びは第1四半期の1.5%から減速し、2022年第2四半期(マイナス2.1%)以来の低い水準となった。
上半期の主要経済統計をみると(添付資料表参照)、消費(社会消費品小売総額)は前年同期比3.7%増と、第1四半期(前年同期比4.7%増)から減速した。商品小売額(注2)は3.2%増、飲食業収入は7.9%増だった。ネット上の小売額は9.8%増と堅調だった。
商品小売額を業種別にみると、食糧・油・食品が9.6%増、石油および石油製品が4.1%増、通信機器が11.3%増だった一方、自動車は1.1%減で、後述の生産台数の増加に反して減少した。
投資(固定資産投資)は前年同期比3.9%増と、消費同様に第1四半期(前年同期比4.5%増)から減速した。インフラ投資は5.4%増だったが、民間投資は0.1%増にとどまった。製造業投資は9.5%と堅調だった。外資系企業の投資は15.8%減だった。
不動産開発投資は10.1%減と、第1四半期(9.5%減)からさらに減速した。不動産市況は、新規着工面積(23.7%減)、新築不動産販売面積(19.0%減)、販売金額(25.0%減)がいずれも減少し、厳しい局面が続いている。
工業生産増加額(付加価値ベース、注3)は、前年同期比6.0%増だった。製品別の生産量では、3Dプリンター(前年同期比51.6%増)、集積回路(28.9%増)が大幅増だったほか、工業用ロボット(9.6%増)、スマートフォン(11.8%増)、太陽電池(17.8%増)なども堅調な伸びを示した。自動車は5.7%増、うち新エネルギー車(NEV)は34.3%増だった。
なお、生産設備稼働率は74.9%と、第1四半期から1.3ポイント上昇した。業種別では、石油・天然ガス採掘業が91.8%、化学繊維製造業が85.3%と高い水準だった。一方で、自動車製造業は68.8%で、前年同期から3.9ポイント減少し、発表された全産業中で非鉄鉱物製品業に次いで低かった。
(注1)これまでは経済成長率の発表に合わせて記者会見が開催されてきたが、今回はウェブでの発表のみとなった。
(注2)年間売上高2,000万元(約4億4,000万円、1元=約22円)以上の卸売企業、500万元以上の小売企業、200万元以上の宿泊・飲食業企業が対象。
(注3)年間売上高2,000万元以上の工業企業が対象。生産設備稼働率も同様。
(河野円洋)
(中国)
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