ブラジル、綿花輸出で世界首位に、米国を上回る見通し

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2024年07月17日

ブラジルのカルロス・ファバロ農業・畜産相は7月3日、2023/2024年度(2023年8月~2024年7月)のブラジル産綿花輸出量が270万トンに達し、米国の257万トンを上回り初めて世界1位となる見込みを発表した。米国農務省(USDA)も7月12日付報告書で同様の予測を公表した。

USDAの報告書によれば、近年の遺伝子組み換え種子の使用や収穫面積拡大などがブラジル産綿花の生産量・輸出量増加を支えており、今期の好天や投入価格の安定化なども押し上げ要因となった。一方、米国の綿花生産の半分以上を占めるテキサス州での干ばつの影響で生産量・輸出量が低下した、とUSDAは説明している。

ブラジルのカルロス・ファバロ農業・畜産相によると、2020年に導入された綿花輸出支援プログラム「コットン・ブラジル・プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」も今回の成果に大きく貢献した。同プログラムはブラジル貿易投資促進庁(ApexBrasil)、ブラジル綿花生産事業者協会(ABRAPA)、全国綿花輸出事業者協会(ANAE)によって共同で運営されており、海外市場に向けて説明会やビジネスミッションなどを実施することでブラジル綿花の輸出事業を支援することを目的としている。

ABRAPAは7月3日に公式サイトにおいて、2024/2025年度にブラジルが再び1位を占めるとは限らないと指摘し、「今後はブラジルと米国が1位を交互に獲得していく可能性がある」と分析している。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、米国)

ビジネス短信 d5d578eb47c16bbd