タタ、半導体製造で米シノプシスと技術協力の覚書締結

(インド、米国)

アーメダバード発

2024年07月04日

インド大手財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスは、グジャラート(GJ)州中部のドレラ特別投資地域(SIR)に設立する半導体工場に関して、米国の電子設計自動化(EDA、Electronic Design Automation)ソリューション大手シノプシスと技術協力に関する覚書(MoU)を締結したと明らかにした(「ミント」紙、「ビジネス・スタンダード」紙6月25日)。シノプシスは、電子設計自動化やシステム検証・妥当性確認などのサービスを半導体メーカーに提供している。

報道によると、タタ・エレクトロニクスはこの技術協力により、シノプシスの設計プラットフォームの導入を計画しているとみられる。タタ・エレクトロニクスは台湾の力晶積成電子製造(PSMC)と提携し、総額9,100億ルピー(約1兆7,290億円、1ルピー=約1.9円)を投じて、ドレラSIRに月産5万枚の製造能力を有する半導体工場を設立する計画を持っている。この工場で製造した半導体チップは自動車やデータストレージ、通信、人工知能(AI)向けなどに供給するとしている。

首都デリーで6月12日に開催されたインド日本商工会(JCCII)の半導体委員会にオンラインで出席したタタ・エレクトロニクスのウッパル・M・シャー執行役員は「ドレラSIRに建設予定の半導体工場は、台湾のPSMCのP5(ピーファイブ、注)工場の成功モデルを正確に再現することで、迅速な設計スケジュールと円滑な技術移転を確保する。市場で競争力のあるソリューションの採用も前向きに検討している」と話した。

(注)台湾中北部の苗栗県にある新竹サイエンスパークに建設された300ミリのウエハーに対応する新工場。初期の生産能力は月産9,000枚、段階的に5万枚規模にまで引き上げる計画。幅広いニーズに向けて28〜55ナノメートル(nm)の成熟プロセスでの量産に対応する。

(飯田覚)

(インド、米国)

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