ベンガルール国際空港、スマートフォンの輸出が2023年も好調

(インド)

ベンガルール発

2024年07月12日

インド南部ベンガルール国際空港からの2023年の輸出総額は、前年比4.0%増の69億7,700万ドルとなった(添付資料表1参照)。米国を中心としたスマートフォン輸出の増加が、全体の伸びを牽引している(添付資料表2参照)。

2023年の米国向け輸出は23億9,900万ドルと全体に占める割合は34.4%に上り、輸出先としては2018年以降6年連続で1位となっている。次いでドイツが4億600万ドル(構成比5.8%)、フランスが3億5,800万ドル(5.1%)と続いた。

品目別にみると、スマートフォンが前年比52.0%増の17億3,600万ドルと輸出総額の24.9%を占め、品目別(HSコード6桁ベース)で首位だった。中でも、米国向けが前年の2倍となる8億9,100万ドルに上り、スマートフォン輸出全体の半分以上となる51.3%を占め全体を牽引した。スマートフォンの輸出先は、欧米諸国に加え中東諸国などにも広がり、インドで生産されたスマートフォンが世界各国に幅広く輸出されている状況がうかがえる。

なお、スマートフォン以外では、飛行機・ヘリコプターなど部品(HSコード:880730)や医薬品(同300490)、ターボジェット・ターボプロペラ・ガスタービンなど(同841112)も上位を占めた。

インドでは、南部のタミル・ナドゥ州、カルナータカ州、テランガナ州を中心に、台湾の電子機器受託製造(EMS)大手が米国アップルのスマートフォンiPhoneを生産する動きが広がっており、2022年以降、ベンガルール空港から各国へスマートフォンを輸出する動きが顕著となっている。

2024年6月下旬にカルナータカ州のM.B.パティル大・中規模産業・インフラ開発相が訪日した際、日本企業に対して州によるエレクトロニクス・システム設計・製造(ESDM:Electronics System Design and Manufacturing)優遇パッケージの説明をしている(2024年7月4日記事参照)。

今後も南インドでのスマートフォン生産は拡大を続けることが予想されるため、ベンガルール国際空港からの輸出も増加傾向が続くだろう。

(水谷俊博)

(インド)

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