山東省、太陽光発電産業で次世代技術製品の開発・量産化を加速
(中国)
青島発
2024年07月17日
中国の山東省政府は7月3日、「山東省の太陽光発電産業の質の高い発展行動プラン」を発表した。同プランでは、2025年までに同省の太陽光発電の産業規模を300億元(約6,600億円、1元=約22円)超に引き上げ、ペロブスカイト太陽電池(注)などの新しい電池技術の研究開発と産業化を加速し、変換効率が25%以上の太陽電池の量産と応用を実現するなどの目標が掲げられた。
同プランでは、シリコンウエハー関連でのコスト削減と効率向上、太陽電池のグレードアップ、太陽電池モジュールの品質向上、関連製品の継続的改善、他分野での応用といった5つの重点分野において、核心技術の研究、産業クラスターの構築、産業応用トライアルエリアの設置、企業の育成・強化、関連企業間の連携の促進、スマート太陽光発電応用の推進、業界標準制定の強化、リサイクル利用の促進などの取り組みを打ち出した。
これらの取り組みのうち、中核となる関連技術分野に関しては、トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト(TOPCon)やヘテロ接合(HJT)などの新世代の高効率結晶シリコン電池、ハイエンド材料、スマートモジュール、インバーターなどの量産プロセスに重点を置き、企業が研究開発とイノベーションへの投資を拡大するよう奨励する。
産業配置と製造の最適化については、同省の済南市、臨沂市、東営市などの都市の既存の産業基盤を生かし、太陽光発電関連産業の生産能力の形成と拡大を加速し、シリコンウエハー、セル、モジュールからインバーター、システムインテグレーション、応用に至るまで、全体的な太陽光発電産業チェーンを育成する。
太陽光発電の応用については、当分野の企業がシステムインテグレーション、ソフトウエア開発、ビッグデータなどの分野の企業と連携するよう指導し、多様なスマート太陽光発電の応用シーンを創造する。太陽光発電と交通・建設・農業・エネルギーなどの分野の企業との間で普及・再現可能なスマート太陽光発電の連携モデルを模索するよう奨励する。また、関連企業がASEAN、中央アジア、中東、中南米、アフリカなどの新興市場を開拓するよう指導する。
(注)ペロブスカイト結晶を用いた次世代の太陽電池。
(董玥涵)
(中国)
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