大口消費者向けディーゼル燃料を値上げ
(コロンビア)
ボゴタ発
2024年07月05日
コロンビア政府は6月24日、ディーゼル燃料の大口消費者に対する燃料値上げを定めた(2024年法令763号)。公布から45日後の8月初旬から施行されるが、どの程度の値上げとなるかはまだ発表されていない。燃料価格はインフレへの影響が懸念され、2022年末から据え置かれていたが、燃料価格安定化基金(FEPC)の赤字削減のために値上げされることとなった。
この措置によって影響を受けるのは、月間平均2万ガロン(約7万5,700リットル)以上のディーゼル燃料を卸売業者から直接購入する主に石油や鉱業、セメント関連の約150事業者とされている。現状では貨物輸送や旅客輸送、ガソリンスタンドでの小売りは対象外となる。リカルド・ボニージャ大蔵・公債相は、見込まれる節約額は6,000億ペソ(約234億円、1ペソ=約0.039円)程度で、FEPCの赤字額20兆ペソには遠く及ばないとしている(6月24日付「ラ・レプブリカ」紙)。
ガソリン価格が大幅に上昇した一方で、ディーゼルは価格がほぼ据え置かれてきたため、値上げ措置が早晩講じられると2023年から予想されていた。エネルギー・ガス規制委員会(CREG)が公表する参考価格によると、6月26日のボゴタ市での1ガロン当たりの燃料販売価格は、ガソリン1万5,906ペソ、ディーゼル9,659ペソと、約1年前(2023年6月3日)時点のそれぞれ1万2,773ペソ、9,357ペソと比較すると、ガソリンとディーゼルの価格差は大きく開いている。
一方で、2023年3月に年間13.34%に達した消費者物価上昇率が2024年5月には7.16%まで順調に低下を続けており、2024年末には5.3%まで低下させる目標がある。値上げを検討する政府に対し、これまで貨物輸送関連団体による強い抗議行動も発生していた。こうした背景もあり、慎重に小幅の改定から始めることとなった。
(豊田哲也)
(コロンビア)
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