6月のインフレ率は5.08%上昇、野菜価格が高騰
(インド)
ムンバイ発
2024年07月22日
インド統計・計画実行省(MoSPI)が7月12日に発表した2024年6月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)は190.2ポイント(速報値)で、前年同月比5.08%上昇した。インド準備銀行(RBI、中央銀行)はインフレ率の中期目標値を4%(±2%)と設定しており、2023年9月以降、RBIの許容範囲内で推移している(添付資料図参照)。
品目別でみると、消費者物価の半分近くの比重を占める食品のインフレ率(注2)が全体を押し上げ、9.36%だった。とりわけ価格変動の大きい野菜の上昇率は29.32%と、前月の27.33%からさらに上昇した。インド北部を襲った熱波や洪水の影響が指摘されている。なお、地域別の全品目のインフレ率は都市部で4.39%、農村部5.66%だった。
現地報道によると、モンスーンの進展に伴い(降雨量が適切であれば)野菜価格は今後2~3カ月で落ち着くとの予想や、インフレの高まりは一時的なものだとする見方があるものの、今後については不透明感が高まったとの声も聞かれている(「エコノミック・タイムズ」紙7月12日、「ミント」紙7月12日)。
(注1)全国ベースのCPIは基準年の2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。
(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。
(篠田正大)
(インド)
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