3~5月期の失業率は3.0%、前期から横ばい
(香港)
香港発
2024年06月28日
香港特別行政区政府統計処は6月20日、2024年3~5月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、同年2~4月期から横ばいの3.0%と発表した(添付資料図参照)。
業種別にみると、「建設」(前期から0.2ポイント上昇の4.4%)、「小売り・宿泊・飲食サービス」(同0.2ポイント上昇の4.3%)、「運輸・倉庫・郵便・宅配サービス・情報・通信業」(同0.2ポイント上昇の3.0%)および「貿易・卸売り」(同0.1ポイント上昇の3.5%)が悪化した。「その他の業種」(前期から0.2ポイント低下の2.2%)のみが改善し、「金融・保険・不動産・専門およびビジネスサービス」(2.8%)と「行政・社会・個人向けサービス業」(1.4%)は横ばいだった。
年代別にみると、「50~59歳」(前期から0.1ポイント低下の2.8%)の雇用状況が改善した。一方、「15~19歳」(同3.9ポイント上昇の11.3%)、「40~49歳」(同0.2ポイント上昇の2.6%)、「30~39歳」(同0.1ポイント上昇の2.4%)の雇用状況は悪化した。
香港政府労働・福祉局の孫玉菡(クリス・サン)局長は「失業者数は若干増加したものの、失業率は依然として低水準だ」と強調した。また、今後の見通しについて「域内の経済成長が続く中、労働市場は短期的には逼迫した状態が続くだろう」との見方を示した。
香港大手銀行の大新銀行のチーフエコノミスト兼ストラテジストの温嘉煒氏は「第3四半期の失業率も現在の水準(3%)程度にとどまるだろう。一方、小売りと観光業界の失業者数は緩やかに上昇する傾向が見られる。来港者数の減少や香港からの海外旅行の増加に対応し、(小売りや観光業界の)人員の調整を行う可能性がある」との見方を示した(「信報」6月21日)。
〔何樂晴(エスター・ホー)〕
(香港)
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