第1四半期のGDP上昇率は前年同期比3.0%

(ナイジェリア)

ラゴス発

2024年06月14日

ナイジェリア国家統計局(NBS)は5月24日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前年同期比3.0%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。前年同期は2.3%、前期は3.5%だった。当期の成長は主にサービス部門によるものだ。各部門のGDPへの寄与率はそれぞれ農業が21.2%(前年同期21.7%)、工業が20.9%(同21.1%)、サービスが58.0%(同57.3%)だった。2024年第1四半期の数値は前期よりわずかに減速しているものの、2020年第4四半期以降、14四半期連続でプラス成長を記録した。

石油を含む鉱業部門は、2023年第3四半期までマイナス成長が続いていたが、同第4四半期からプラス成長に転じ、前年同期比6.3%の増加となった。当期の産油量は日量157万バレルで、前年同期の151万バレルから若干の回復が見られた。

非石油部門は前年同期比2.8%増で、中でも金融および保険(31.2%増)、情報通信(5.4%増)、製造業(1.5%増)などが経済成長を牽引した。金融および保険業は、2021年第3四半期から11期連続のプラス成長となっている。中央銀行は物価の安定を目的とした金利引き上げを実施するなど、高金利政策の状態が続いていることも影響しているとみられる(2024年5月30日記事参照)。また、石油精製の成長率は、前年同期比マイナス33.4%と引き続き停滞が続くが、明るい兆しもみられる。2023年5月22日に、アフリカ最大の製油所かつ世界最大のシングルトラック製油所である、ダンゴテ製油所の落成式が実施された(2023年5月11日記事参照)。2024年4月には国内への精製品の供給が開始されたほか、現地報道によれば、ダンゴテ精油所が5月27日にジェット燃料をロッテルダム港に向けて初めて輸出したとしている。2024年第2四半期以降、石油精製分野が成長する可能性がある。

通貨ナイラ安傾向が継続する中、中央銀行の政策などが今後、経済回復にどのように寄与するか注目される。なお、IMFは2024年のナイジェリアの実質GDP成長率3.3%と予測している(2024年5月30日記事参照)。

(柴田北斗)

(ナイジェリア)

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