世界最大のライセンス展示会「ライセンシング・エキスポ」開催、日系企業はアニメ・ゲーム関連の商談を活発に実施

(米国、日本)

ロサンゼルス発

2024年05月30日

世界各国のライセンス可能なキャラクターやファッション、アート、コーポレートブランドなどの知的財産(IP)を持つオーナーやスタジオ、IPを商品化する玩具メーカーなどが出展する展示会「ライセンシング・エキスポ2024」が5月20~22日、米国ネバダ州ラスベガスで開催された。

同展示会は1980年に始まり、毎年5,000を超えるブランドが展示され、小売業者や製造業者、ディストリビューターなど1万6,000人以上が参加するとされる。出展者リストを集計したところ、今回は計362社・団体が出展しており、アジアからの出展は62社となっている。このうち、日本からは16社(注1)、韓国からは28社、中国からは10社が出展した。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

同展示会のスポンサーであるライセンシング・インターナショナルが5月21日に発表したライセンシング業界調査概要によると、ライセンシング業界全体で2023年の売上高は前年比4.6%増加の3,565億ドルに達している。ファッション、エンターテインメント、音楽、スポーツなどのさまざまなカテゴリーにおいて、ライセンス製品および関連サービスの売上高が継続的に増加しているとされ、特にエンターテインメント・キャラクター部門の売上高は前年比6.9%増加の1,476億ドルとなり、このうちアニメ、ビデオゲーム、SNSが38%を占める。2023年の国別の売上高は発表されていないが、日本の2022年の売上高は155億ドルで、これは第3位のマーケットシェアという。

写真 日系企業ブースの様子(ジェトロ撮影)

日系企業ブースの様子(ジェトロ撮影)

日本から出展した担当者からは「日本ではキャラクターの淘汰(とうた)も進んでおり、現在残っているのは基本的に昔からあるキャラクターばかり。米国は新しいものを受け入れる市場性があるため、ここで勝負したい」という声が聞かれた。ゲーム関連のIPを有する別の日系企業の担当者は「当社自体は米国で知名度は低いはずだが、ありがたいことに展示会期間中は切れ目なく商談が入っている」と言いながら、埋め尽くされた商談のスケジュール表を確認していた。また、他の参加者は「約10年前は日系企業の出展も多くなかったが、ここ数年で日本のアニメ関係の出展が大きく増加している。それだけ米国市場は伸びしろがあると考えている」と話す。アニメをはじめとした日本のコンテンツは引き続き米国で高い人気を誇っており、ライセンシング業界でも日系企業の存在感が高まっている。

写真 キャラクターパレードの様子(ジェトロ撮影)

キャラクターパレードの様子(ジェトロ撮影)

(注)米国現地法人として出展した日系企業は含まれていない可能性がある。

(堀永卓弘)

(米国、日本)

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