米国務省、オーストラリアと英国向けに輸出許可例外を設ける国際武器取引規則(ITAR)改定案を公示

(米国、オーストラリア、英国)

ニューヨーク発

2024年05月08日

米国国務省は5月1日、国際武器取引規則(ITAR)を改定し、オーストラリアと英国向けに新たな輸出許可例外を設ける規則案を官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同省は翌5月2日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、今回の規則案によって、安全保障協力に関する枠組み「AUKUS(オーカス)」で連携しているオーストラリアと英国との間で、安全保障協力とイノベーションの深化が可能になるとしている。

米国では、民生品にも軍事品にも利用できるデュアルユース品目に対する輸出管理は、商務省産業安全保障局(BIS)が輸出管理規則(EAR)に基づいて行っている一方、米国軍需物資リスト(USML)に掲載されている防衛関連製品および関連サービスに対する輸出管理は、国務省の防衛取引管理局(DDTC)がITARに基づき行っている。

今回提案された規則案では、USMLで指定された特定の防衛関連製品やサービスを、オーストラリアと英国向けに輸出、再輸出などする際に、DDTCからの事前の許可取得を不要とする。ただし、連邦規則集第22編第126条の補足2に掲載されている製品やサービスは、輸出許可例外の対象とはならない。例えば、USMLで指定されている特定のミサイル管理に関する技術データや防衛サービスなどが該当する。

国務省は、今回の規則案に対するパブリックコメントを求める。コメントはEメール(DDTCPublicComments@state.gov)もしくは、連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(DOS-2024-0013)を通じて提出する。締め切りは5月31日に設定されている。

オーストラリアと英国に対する輸出管理を巡っては、BISが4月に、EAR上の軍事品目、ミサイル技術関連品目などを事前許可なく輸出などができるよう、ライセンス要件を大幅に緩和する暫定最終規則(IFR)を発表している(2024年4月19日記事参照)。防衛製品に関する輸出管理で、AUKUSでの連携強化が進められている。

(赤平大寿)

(米国、オーストラリア、英国)

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