タシケント国際投資フォーラム、サウジアラビア企業の進出が顕著

(ウズベキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

タシケント発

2024年05月08日

ウズベキスタンで第3回タシケント国際投資フォーラムが5月2日から3日にかけて開催され、トルコのジェウデット・ユルマズ副大統領、キルギスのアキルベク・ジャパロフ首相、サウジアラビアのアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ・アール・サウード・エネルギー相、シンガポールのシア・キアン・ペン国会議長、国連のタチアナ・モルチャン事務次長兼国連欧州経済委員会事務局長、欧州復興開発銀行(EBRD)のオディール・ルノーバッソ総裁、OPEC国際開発基金のアブドゥルハミド・アルハリファ事務局長といった要人が出席した。

フォーラムの中でウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は、ウズベキスタンの外国投資受け入れの優先分野について、a.グリーン・エネルギー、b.銀行・金融、c.鉱物資源開発、d.デジタルトランスフォーメーション(DX)とIT、e.国境を越えた鉄道プロジェクトを含む交通インフラ開発を挙げた。

ウズベキスタン政府によると、フォーラムには93カ国から2,500人以上が参加し、2023年の110億ドルの2.4倍超となる266億ドル相当の合意文書が結ばれた。グリーン・エネルギー、IT、インフラ整備分野でのサウジアラビア企業の投資案件が目立つ。サウジアラビアのアクワ・パワーによる5ギガワット(GW)の風力発電所と2GWの電力貯蔵施設の建設(総工費62億ドル)、アラブ首長国連邦(UAE)のアメア・パワーによる1GWの風力発電所の建設(11億ドル)、サウジアラビアのデータセンター開発・運営大手データ・ボルトによるグリーン技術を用いたデータセンターの設立(30億ドル)、同社によるタシケント首都機能移転事業のインフラ建設プロジェクトへの参画(10億ドル)、UAE冷房設備大手ナショナル・セントラル・クーリング(通称タブリード)のサウジアラビア子会社によるウズベキスタン国内3都市の熱供給システム近代化プロジェクト(7億5,000万ドル)などが発表された。

5月2日にはミルジヨエフ大統領とサウジアラビアのアブドゥルアジーズ・エネルギー相との個別会談が実施され、同国企業と180億ドル相当の新規投資プロジェクト実施に関する協定が締結されると伝えられており、今回のフォーラムではサウジアラビア企業の積極的な進出が際立つ結果となった。

写真 タシケント国際投資フォーラムが開催されたタシケント市会議場入り口(ジェトロ撮影)

タシケント国際投資フォーラムが開催されたタシケント市会議場入り口(ジェトロ撮影)

写真 タシケント国際投資フォーラム2日目のパネルセッション(ジェトロ撮影)

タシケント国際投資フォーラム2日目のパネルセッション(ジェトロ撮影)

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

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