四川省、大規模設備の更新と消費財買い替え推進実施プランを発表

(中国)

成都発

2024年05月16日

中国の四川省政府は5月11日、「大規模設備の更新と消費財買い替え推進実施プラン」(以下、実施プラン)を発表した。国務院は3月13日、国レベルでの「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プランに関す通知」(国発[2024]7号)を発表しており、同実施プランは、国務院の推進行動プランを実施するため、四川省政府が現地の状況を踏まえて作成した。

同実施プランでは、2027年までの数値目標を次のとおり設定した。

大規模設備更新については、工業、農業、建築、交通、教育、文化・観光、医療などの分野の設備投資規模を2023年比で25%以上増加させる、一定規模以上の工業企業のデジタル化研究開発・設計ツールの普及率を90%超に引き上げる。

消費財買い替え推進については、廃車の回収量を2023年比で倍増させる、中古車取引量を2023年比で50%増加させ、廃棄家電の回収量を2023年比で35%増加させる。

大規模設備更新に関わる目標達成のため、(1)大規模設備改造による工業分野での設備更新を推進する、(2)建造物と行政インフラの設備の更新を加速させる、(3)交通輸送設備と老朽化した農業機械の更新を支援する、(4)教育、文化観光、医療設備をアップグレードする、といった重点分野が挙げられた。交通輸送設備の更新については、公共バスやタクシー、中小型旅客車の導入、更新において、新エネルギー車を採用する。重型トラックについても、電動化および水素燃料車への切り替えを推進するとした。

消費財の買い替えについては、自動車、家電、住宅内装材を中心に展開するとした。また、使用済み製品の回収ネットワークを改善し、製品の「買い替え+リサイクル」の体制構築を行う。具体的には、企業に対し既存の製品の配送、設置、メンテナンスのルートやリサイクル専門業者を活用し、新製品の自宅配送と同時に使用済み製品の回収も行うよう指導する。他方、回収した使用済み製品の販売プラットフォームの構築など、中古車、中古家具、家電などの販売への支援を強化する方針が示された。

このほか、財政、税務、金融面での政策支援を強め、設備の更新や消費財の買い替えを後押しするほか、科学技術イノベーションの支援も強化するとした。

四川省経済情報化庁の責任者は「四川省は製造業が多いが、伝統的製造業が全体の7割を占めており、こうした企業の多くは安全性の低い、非効率な設備や耐用年数を超えた老朽化した設備を使用している。先端設備への更新を通じて技術力を向上させ、産業のアップグレードを推進していく」と述べた(「金台資詢」5月1日)。

(王植一)

(中国)

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