サウジアラビア、中国との直行便を相次いで就航

(サウジアラビア、中国)

リヤド発

2024年05月10日

サウジアラビアのリヤド空港会社(Riyadh Airports Company:RAC)が管理するキング・ハーリド国際空港(キング・サルマン新国際空港予定地)は、首都リヤドと中国・北京間を結ぶ直行便の就航を開始したと発表した。5月6日からはキング・ハーリド国際空港と北京首都国際空港間を中国国際航空が週3便の運航を開始している。

サウジアラビアは中国との航空路線の拡大・強化に取り組んでいる。サウジアラビア・エア・コネクティビティー・プログラム(Saudi Air Connectivity Program:ACP、注1)と中国東方航空は4月8日に、キング・ハーリド国際空港と上海浦東空港間を週3便で直行便を就航させた。また、同月16日には中国南方航空がキング・ハーリド国際空港と北京大興国際空港間で週2便の直行便を就航させ、6月にはキング・ハーリド国際空港と深セン宝安国際空港間を週2便就航させる計画を進めている。

2030年までの国家改革戦略「ビジョン2030」を通じて、サウジアラビアは中東をリードする航空ハブとなり、東西を結ぶ重要な接続点になることを目指している。2023年には当初計画より7年早く、2,700万人の外国人観光客を含む1億人の観光客の誘致目標を達成した。さらに、2024年3月、政府は2030年までに7,000万人の外国人観光客を含む1億5,000万人の観光客を誘致する新たな目標を明らかにした。

RACは中国人観光客を誘致するため、2023年7月にキング・ハーリド国際空港で「Welcome Chinese」(注2)認証を取得した。中国人旅行者向けのサービス向上に取り組むなど、中国人観光客の誘致に注力している。

(注1)サウジアラビアと新たな目的地を結ぶ航空コネクティビティーを強化し、既存および将来の航空路線を開発、観光成長を支援するために、サウジアラビア観光省の傘下として2021年に設立された。

(注2)中国観光研究院が承認した一連の海外旅行サービス基準。中国人旅行者向けのサービスを向上させることを目的とし、この認定プログラムに参加することで、メンバーはCTA(China Tourism Academy)のパートナーシップ、ネットワークへの参加資格を得ることができ、マーケティングやプロモーションの面でメリットを享受することが可能となる。

(林憲忠)

(サウジアラビア、中国)

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