2024年スマートシティランキング、ASEAN主要都市が順位上昇

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン)

調査部アジア大洋州課

2024年05月13日

スイスの国際経営開発研究所(IMD)は4月9日、2024年のスマートシティランキングを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。スマートシティランキングは、対象都市を経済やテクノロジー、生活の質や環境面から評価したもの。

本ランキングは世界142都市を対象とし、各都市に住む120人の市民へのアンケート調査の回答と人間開発指数(HDI)を組み合わせて各都市を評価し、その結果をランキングにしている。2019年から発表されており、今回で5回目だ。

市民へのアンケート調査では、「健康と安全」、公共交通機関や渋滞などに関する「モビリティ」、文化活動や緑地整備に関する「活動」、勉学や就業に関する「機会」、「ガバナンス」の5つの主要分野について、インフラの充実度を示す「構造」と技術やサービスの成熟度を示す「技術」の2つの観点から評価された。またHDIは、各国の経済指標を長寿、優れた教育・知識、人間らしい生活水準の3つの分野について測った指標だ。

ASEAN加盟国の順位をみると、シンガポールが世界5位に入り、ASEAN加盟国では首位となった。また、マレーシアの首都クアラルンプールは、前回から大きく順位を上げて世界ランキング73位となった(添付資料表参照)。さらに、タイのバンコク(84位)やベトナムのハノイ(97位)も前回調査から順位を上げた。

調査回答の項目別にみてみると、ASEAN各国では、特にモビリティ分野において、公共交通機関が充実している点やオンラインでのチケット購入が容易である点、本人確認書類をオンラインで処理することが可能であるという点で市民から高い評価を得ている。一方、生活や環境面では大気汚染や交通渋滞、また市職員の汚職が懸念事項としてあげられた。

なお、2024年のランキング1位はスイスのチューリヒで、5年連続トップとなった。次いで、オスロ(ノルウェー)、キャンベラ(オーストラリア)、ジュネーブ(スイス)の順だった。

(近藤皐平)

(ASEAN、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン)

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