自由アルゼンチン再建債シリーズ3の需要が急騰

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年05月13日

アルゼンチン中央銀行は5月8、9日、自由アルゼンチン再建債(BOPREAL)シリーズ3の第7回入札を実施した。10日には同入札での落札額は17億900万ドルに達したと発表した。

第7回入札までの落札額は累計で29億500万ドルとなり、発行額30億ドルのBOPREALシリーズ3はほぼ完売の状態となった。BOPREALは本来、滞留輸入債務を抱える輸入業者のみを購入対象としており、満期は長いが恩典が多く付与されたシリーズ1、恩典は少ないが満期が短いシリーズ2は、早期に発行額全額が落札された。

シリーズ3はシリーズ1、シリーズ2に比べて償還日が長く、シリーズ1のようなパイス税免税などの恩典がないため、恩典が多いシリーズ1や償還期間が短いシリーズ2に比べて人気がなく、入札が長期化していた(2024年4月23日記事2024年2月8日記事添付資料参照)。今回の入札から未払いの利益や配当金を抱える事業者が対象者に加えられ(2024年5月8日記事参照)、一気に落札額が伸びた。中銀によると、第7回入札では、滞留輸入債務を抱える事業者の入札額が6,900万ドル、未払いの利益、配当金を抱える事業者からの入札が16億4,000万ドルだった。残りの9,500万ドル分の入札は5月13日の週に実施するとしている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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