アフリカのインターネット利用者数は世界の約14%、デジタルインフラに課題も

(アフリカ)

調査部中東アフリカ課

2024年05月24日

国際金融公社(IFC)は5月16日、アフリカでのデジタル化に関するビジネス機会の報告書「Digital Opportunities in African Businesses外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。それによると、アフリカのインターネット利用者数は世界の約14%を占める。

海底ケーブル増設などのデジタルインフラ関連投資は、アフリカでは2027年までに年間60億ドルに達する見込みだ。海底ケーブルの整備などにより、通信料は14~21%ほど安価になるという。また、アフリカのデータセンターの容量は2010年から2022年の間に年率16%増で拡大し、世界全体の7%増を大きく上回った。

報告書によると、アフリカの企業はデジタル化によって、経済活動の生産性と収益性を高め、地域内や世界のバリューチェーンに統合できる可能性があるという。エチオピア、ブルキナファソ、ガーナ、ケニア、マラウイ、セネガルを対象にした調査によると、既に5人以上を雇用する企業の86%がデジタルツールを1つ以上利用している。

一方で、アフリカでは課題も多く、デジタル化から取り残されている企業も多い。アフリカの人口にして約6億人が未電化で、デジタル人材とデジタル企業も少ない。加えて、デジタル関連投資が不足していることなどがデジタル化を妨げる主な課題だ。

デジタル機器・ソフトウエアのコストをみても、関税や輸入関連規則への対応、企業の競争力の不足などにより、サブサハラ・アフリカでは世界平均よりも35~39%高価、北アフリカでは13~15%高価という。また、現在は所得に占めるインターネットの固定回線とモバイル回線の通信料金も他の地域に比べて高い水準にあり、アフリカの平均的な所得の人々にとって負担は重い。

同報告書では、アフリカ各国政府が外資系企業によるデジタル関連インフラの開発推進や、通信事業の自由化などの規制改革により競争を促進することで、民間企業の投資機会の創出や、アフリカのデジタル化推進につながると示唆している。

(井澤壌士)

(アフリカ)

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