タイの2023年のFTA利用輸出額、前年比2.5%減の816億ドル

(タイ)

バンコク発

2024年04月08日

タイ商業省外国貿易局(DFT)は3月5日、2023年のタイからの輸出における自由貿易協定(FTA)利用統計を発表した(注)。同統計によると、同年のFTAを利用したタイからの輸出額は、前年比2.5%減の815億8,900万ドルだった。FTA利用が可能だった輸出額は991億2,500万ドルだったため、FTA利用率は82.3%と前年から上昇した(添付資料表1参照)。

仕向け地別でFTA利用額が大きかったのは、ASEAN(301億8,300万ドル)、中国(237億3,400万ドル)、オーストラリア(96億9,500万ドル)、日本(74億5,400万ドル)、インド(58億3,900万ドル)の順だった。日本向けのFTA利用額は前年より2.2%増えており、利用率も82.3%から85.3%へ上昇した(添付資料表2参照)。

協定別に利用額の大きいFTAは、ASEAN自由貿易協定(AFTA、ASEAN物品貿易協定:ATIGA)が298億7,200万ドル、ASEAN中国自由貿易協定(ACFTA)が234億9,600万ドル、日本タイ経済連携協定(JTEPA)が68億400万ドル、タイ=オーストラリアFTA(TAFTA)が62億8,000万ドル、ASEANインドFTA(AIFTA)が54億1,000万ドルの順だった(添付資料表3参照)。

2023年の地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を利用した輸出額は、前年比41.2%増の14億400万ドルに拡大した。発効初年にして8番目に多く利用されている協定となっている。RCEP協定を利用した主な輸出品目は、潤滑油、エナジードリンク、ツナ缶、スライス状のタピオカ、写真機/映写機用レンズ、スパークプラグなど。

(注)同統計で計上されるFTAは、タイが締結する14のFTAのうち、ASEAN=香港FTA(AHKFTA)とタイ=ニュージーランド経済緊密化連携協定(TNZCEP)を除く12協定。TNZCEPの原産地証明は自己証明のみで、商務省が発給当局ではないため、データが収集できない。香港は自由貿易港で輸入関税がかからないため、FTAを利用する必要がない。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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