ミレイ政権、低中所得層向け私立学費補助の一時給付金制度を導入

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年04月17日

アルゼンチン人的資源省は3月21日、人的資源省決議61/2024号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、「教育バウチャー制度」と呼ばれる、国の助成を受けている私立の幼稚園、学校に通う子供を持つ低中所得層の学費を補助する一時的な給付金制度を導入した。

この制度は、国の助成を受けている私立の幼稚園や学校(初等、中等教育段階)に通う子供を持つ低中所得層の世帯を対象に、現金を給付するものだ。18歳以下の子供を持ち、世帯所得が最低賃金の7倍、すなわち141万9,600ペソ(約25万5,528円、1ペソ=約0.18円)を超えない世帯が給付金を受け取ることができる。給付額は半日制の学費の50%相当額で、子供1人当たりの上限は2万7,198ペソとなっている。5月から7月までの3カ月間を対象としている。

人的資源省は、現在の厳しい経済情勢を考慮すると、国民が子供の教育を維持するには支援が必要と主張している。2022年の年次調査によると、国の助成を受けている私立学校には240万9,006人の生徒が通っているとしており、これらの生徒が経済的困窮により転校を余儀なくされることを回避するとしている。

一方で、ミレイ政権に否定的な報道をみると、今回の教育バウチャー制度を2つの理由で批判している。第1に給付金の金額が不十分、第2に無償の公立学校の運営資金が削減される中、この制度が私立学校を利するという批判だ。教育バウチャー制度は、ハビエル・ミレイ大統領が2023年の選挙期間中に導入を主張していたものだ。ミレイ大統領は選挙期間中、現行の義務教育と無償教育を廃止し、学校ではなく子供に助成することで学校教育に市場原理を導入し、学校間の競争による教育の質向上を主張していた。ところが、選挙終盤の公開討論会で、ミレイ大統領は無償教育の廃止を否定した。それにもかかわらず、教育バウチャー制度が無償教育の廃止を念頭に置いたものだとして批判している。

(サンティアゴ・ブリニョーレ、西澤裕介)

(アルゼンチン)

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